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通常運転コースでにしおりをはさみました!
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通常運転コースで
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「よっしゃ食べ歩きしようぜ!」
シュウが先頭を切り、そのあとにサガラ、ユツキ、ハルト、リョウという並び順で彼らは街を駆けぬける。
気になった店や建物にいちいち顔を突っ込んでいるので、ペースは速くないが、その分一か所にとどまりその面白さを堪能した。
からっと晴れた天気のように明るいシュウは、馬鹿らしい行動をしては場の空気を無意識にあたためていた。
サガラもシュウの馬鹿騒ぎにのり、二人ではしゃいではガラス製品を落としそうになったりしてはユツキとハルトの肝を冷やした。
リョウはリョウでふらふらとどこかに旅立とうとしては、ハルトに無言で頭を殴られ引きずられていた。
なんやかんやで全体の指揮をとるハルトもややげんなりしていたが、つまらなくなさそうにはしていない。
暴走を止めるのに気を取られているだけかもしれないが。
そして中央公園にまでやってきた。シュウとサガラは目を輝かせて水をふき散らす噴水のところまで走り寄って、腕を冷やし始める。
のんびりユツキが続き、リョウとハルトはだるそうに入り口付近から動かない。
「ふう暑いな…ハルトは大丈夫か?」
「大丈夫なわけがあるか。お前らのせいで倍以上の体力を使った」
ふてくされリョウから視線をそらし、水を掛け合っているシュウ達に視線を向ける。きらきらと飛び散る水滴が日光を反射し、見る者の目を奪う。涼を堪能するシュウは満面の笑みだ。
額の汗をぬぐって息をつくハルトに、リョウは淡い微笑みを浮かべた。
「やっと笑ったな」
「誰が笑った。俺は笑ってなんかいないぞ」
ついにぼけたか。冷たい目で見据えられるが、その言葉を撤回にはしなかった。
「いいや。笑ってたよ確かに」
「…おかしな奴だな」
それ以上ハルトも否定することはせず、鼻で笑い飛ばした。そしてアイスクリームを買おうと遠くで手を振っているシュウに軽く手を振り返して近づいて行った。
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