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湊と大和(前編)にしおりをはさみました!
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湊と大和(前編)
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(リクエストに近いです。『＋』初登場、湊を宜しくお願いします。山代と大和の小さな情事、湊バージョンです！本編とリンクしてるよう｡ﾟ(^ω^;)ﾟ｡)
ただただ、大和を愛でる会。
もう、そんな感じ(お父ちゃん、ごめん…)。
仲間が、増えた。
実力は太鼓判、見た目も最高。
久々に見る、華のあるヤクザ。
「湊……………お前、何しとん」
湊。
そう、桜井湊。
大和にゾッコンのちょっと異色の新人。
「よお………………今帰りか、大和」
マンションのエントランス。
学校から帰宅したばかりの大和は、正面玄関まで伊勢谷に送ってもらった所で、何故か桜井と遭遇。
背が高く、稀に見るイケメンは、よく目立つ。
遠くからでも、すぐわかった桜井の佇まい。
中身のほぼない鞄を脇に挟み、大和は目の前に立つ桜井に、目がキョトン。
「いや………………」
今帰りか…………じゃなくてさ。
「ああ、嵩原組長から電話があってな…………今夜、関西の幹部が来るから時間空けとけって。用済ませて帰るまで、マンションで待つようにとさ」
「え……………………」
なに、今夜親父おらんのや……………。
桜井の説明に、大和の目は曇り空。
お父ちゃんがいない。
あからさまにテンションただ下がり。
実は高橋も不在の今夜、せっかくだから、二人で何処か食べに行こうと思ってた。
「ぷっ……………お前、わかりやすっ」
エントランスへ入る大和に付いて行き、開いたエレベーターに乗り込みながら、桜井は呆れた様子で苦笑い。
わかりやす。
バレバレである。
「っせぇ！…………ええやろ、別に！」
「ま………………ええけど」
ニマニマ笑う桜井の視線を浴び、大和はちょっと顔を赤らめ隣に立った。
それがまた、素直で可愛い。
若頭の顔とのギャップに萌えちまう。
トン……………………
上がっていく階数の変化を見つめ、桜井はわざと少しだけ手を横へ動かした。
トン。
僅かに当たる、互いの感触。
「な…………………」
触れ合う指先のそれに、大和の反応は早かった。
パッと手を動かし、桜井の魔の手から直ぐ様退く。
「サンキュー♪」
「何が………………！」
「だって、俺の事意識してくれてる」
「……………………っ！！」
大和を見る訳じゃない。
前を向いたまま、しれっとそれを口にする桜井に敗北感。
「そっ、そんなんちゃうわっ！気色悪い思うただけやっ！」
「はいはい〜♪」
「湊ぉ……………っ！」
チ…………ン………………
完全に負け惜しみ。
エレベーターの到着音が、大和の負けを知らせる。
「そう言えば、初めてだな……………お前の家」
「あ………………？」
初めて。
桜井が竜童会に入って、まだ日が浅い。
父親付きになっているせいで、よく顔を合わせるが、確かに家の中は初めてかも。
大概が、支部か玄関先。
桜井もそこは弁えていて、許可なく中へは入らない。
「確かに、初めてやな………………」
自宅ドアの鍵を開け、玄関に足を踏み入れながら、二人は何気に顔を見合わせた。
初めて。
てか、今二人きりじゃね？
さっきのエレベーターが、効果大。
バタンッ…………………！
重い扉が勢いよく閉まり、一気に薄暗くなった玄関がより静けさを強調する。
こんなに近かったっけ？
振り向いた先にいる桜井に、大和の鼓動は妙に速まった。
「やま………………」
「ああっ、そうやっ！俺……………明日締切の課題やらんとっ！」
やるつもりもなかった課題を理由に、大和逃げに入る。
パシ……………………
「へ…………………」
「じゃあ、手伝ってやるよ。これでも俺、Ｔ大狙える頭はあったから」
逃がさない。
さっさと立ち去ろうとする大和の腕を掴み、ほくそ笑む桜井の笑顔に息を飲む。
Ｔ大。
かの有名な国内大学最高レベル。
え、桜井ってそんなに頭良かったの！？
なんて思う暇もなく、大和の身体はズルズルと拉致られた。
「お前の部屋、行こうか」
「いっ……い、いやいや！お前は、親父待ちやろ！親父帰って来たらどないすんねんっ！」
「どないすんねん？なに……ただ勉強手伝うだけで、何か言われんの？」
「は…………………」
言わないな。
頭の良い奴って、嫌い。
揚げ足を取るような桜井の言動に、大和はなされるがまま。
自分の家なのに、桜井に先頭行かれてます。
「部屋、何処？心配しなくても、ちゃんと教えてやるから」
「み……………湊………………」
しかも、甘いマスクで優しい声出すんだよ。
大和は溜息を漏らし、ゆっくり部屋を指差した。
ホンマやろな？
上目使いに睨む大和の眼差しが、桜井の気持ちに念を押す。
「クス……………ホンマです」
意思の疎通も完璧だ。
完璧。
大和はわかってない。
その上目使いが、桜井のハートに火を点けたことを。
(最近不具合続きで、今日も更新上手くいかなかったらすみません(;´Д⊂)後編へ続きます…┏○))ﾍﾟｺﾘ)
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