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変わりゆく8にしおりをはさみました!
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変わりゆく8
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光を取り込むために微かに開いていた扉が、重い音を立てながら動いた。
「何してる?」
澄んで通る声は長谷川さんのものだ。
“退学になったってどうでもいい”と、のたまっていた鷲尾たちは慌ててズボンを引き上げた。
ボクはどうすればいいかわからずマットの上にしゃがみこみ、体を縮めるように両手で肩を抱きしめる。
長谷川さんは鷲尾の手をねじり上げ、小瓶を奪った。
「違法ドラッグ、か。本当クソみたいなやつらの集まる学校だな」
長谷川さんはいつもはピクリとも動かさない綺麗な顔を歪ませ、三人を一人ずつ睨みつける。その目の鋭さに鷲尾たちは体を硬直させた。
「三木先生も随分お楽しみだったようですけど、合意の上ですか?」
含みを持たせた言い方に、軽蔑されたと実感する。
「い、いえ……、合意では、ないです」
合意ではなかったにしろ、快楽にふけってしまったのは事実だ。後ろめたさで長谷川さんの目は見れない。
「では、副理事長に報告するということで良いですよね?」
校内のことを動かしているのは副理事長で、公立学校では教頭と呼ばれる立場にある人。
「……っ、待って下さい……!」
「どうしてです?」
「わ、鷲尾たちにも何か事情があるようで……」
何とか取り繕いたい。必死で頭を働かせる。
「事情、ですか」
「それに、ボクも知られたくないです。男なのにこんなこと……」
「こんなことって、生徒に自ら体を開いていたことですか?」
長谷川さんが鷲尾の手を離す。どうやら矛先が自分たちから逸れたと思ったらしく、三人は荷物を手に取り逃げていった。
「自ら……」
声に出しながら、否定はできないと思った。口をつぐむボクを見て長谷川さんは鼻で笑う。
「生徒相手に複数プレイって、三木先生、すごく良いご趣味されてるんですね」
「趣味、なんかじゃ……!」
「一方的に襲われたならやつらを暴行罪で訴えられますけど、もし合意なら三木先生のほうが強制わいせつで罪に問われますよ。やはり、大ごとになる前に副理事長に――」
「待って、待って下さい……!」
体育用具室から出て行こうとする長谷川さんの足にすがりつく。自分の体から立ち上ってくる精液の臭いが不快だ。
「……無様な姿ですね。幻滅しました」
長谷川さんは精液で濡れたボクを見下ろし、乾いた笑みを浮かべた。
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