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「お前酒弱いんだな、気をつけろよ本当」
「うんごめん、ここどこ?」
「俺んち。タクシー拾ってとりあえず連れてきた。はい、水。吐き気は?」
「ありがとう、うぅ頭いたい…」
「寝てていいよそこ」
岡谷はそう言って、空になったグラスを受け取った。
「本当にごめん…途中記憶ない…」
「いやいいよ、俺が飲ませすぎたんかも。お前のペース知らなかったしさ。そういやさっき佐々木から電話あったけど」
「え…嘘、」
「悪い、勝手に取っちゃった。何度も鳴るから、急用だったら困るしと思って」
「…何か言ってた?」
「いや何も?酔いつぶれてるっつったら、ならいいやーって普通に終わったよ」
ほ、とひとまず安心する。岡谷に何か言わなくて本当によかった。もしそうだとしたら、岡谷に申し訳なさすぎる。
「とりあえず、寝な」
「でもベッド、」
「いやいいよ、俺ソファで寝るし」
「えっ、」
「いいって本当に。おやすみ」
岡谷は晴のことをベッドに押し込み直して、電気を消した。
あぁ。
カウントダウンは、もう始まっている。
合宿の間、きっと佐々木は浮気をしない。誰も抱かない。何故なら、メリットがないから。
晴は分かっていた。どうして佐々木が他の誰かを抱くのか。それを晴に見せ付けるのか。
(佐々木は不安なんだ。)
晴がちゃんと彼を見ているか、想っているか、確かめている。傷ついた顔で、愛情の度合いをはかっている。
だからこそ今日、佐々木に黙って晴が岡谷と飲みに行ったことを知った彼が、どういう行動を取るのかも予想できる。
終わりだ。終わりが来る。
思っていたより早かったな、と晴はおもった。
(俺は堕ちる。彼のところまで。)
ー 別離まで、きっとそう長くはない。
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