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本当の俺にしおりをはさみました!
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本当の俺
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「おはよー。輝は今日も無愛想なイケメンだな!」
聞き飽きた言葉と共に肩を組んできたのは、同じデジタルデザイン科で中学の時から仲がいい星川雅姫だ。名前で呼ばれるのが嫌いなため、昔から「ヒメ」とあだ名で呼んでいる。
「ヒメ……お前、また首にキスマークついてるぞ……」
「あいつ……つけるなって言ったのに! しかもセックスは下手だし、いいことないからもう連絡しねー!」
こんな会話を朝からするのも、もう何度目か分からない。毎度良く体が保つなと、半分嫌味を言うと「モテるから」とおどけた言葉が返ってくる。でもその笑ったあと、一瞬寂しい顔になるのを隠せていない自覚はあるんだろうか。こちらも向こうが言わない限り、これ以上突っ込んだ話はしないようにしている。雅姫も俺がそういう人間だと分かった上で、こうして長い間親友としてそばにいてくれるんだろう。それでなければ、大概の人間は「無愛想」や「冷酷」だと言われる自分とは付き合わない。
「そういえば、校内のイケメンランキングに変動があったらしいぜ。女子から聞いた」
「興味がない」
「まあ、そう言うなって。お前の順位は、一位の黒澤センパイとほぼ変わらないって。ちなみに俺は三位だって。でも噂だと俺、イケメンランキングより『ゲイランキング』と『ヤリチンランキング」で殿堂入りしたらしいぜ!」
そんなことを言われて、嬉しいはずがないのにまた雅姫は無理をして笑う。こんな時、同情した顔なんてすればきっともっと雅姫は傷つく。そう考えると、無愛想だと言われる自分で良かったのかもしれないと思った。
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