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「この紅茶美味しいね、これもまさか輝が作ったの?」
「はは、さすがにそれはないかな。俺、茶畑は持ってないし」
こんな風に冗談も交えて話してくれる輝も大好きだ。普段、無愛想と言われているらしいが、自分の前では色んな表情を見せてくれるのがたまらなく嬉しかった。もっと色んな輝が見たいと、とろけた顔で漆黒の瞳を見つめていると、また優しく頬を撫でてくれる。いつの間にか持っていたティーカップは奪われテーブルの上に置かれてしまいそこに視線を落とすと、突然引き寄せられてすっぽりと輝の胸の中におさまってしまった。
「あっ……ごめん」
なぜか楓が謝り輝から少し体を離すと、また抱きしめられ髪に触れてくれる。互いの距離は鼻先が当たりそうなほど近くて、明るい場所で見る輝の瞳は少し欲情の色をしていた。
ーーチュウ……されちゃうかも…………。
どんなにド天然と言われている楓でもさすがに察し、輝の胸元を掴み目を閉じて覚悟を決めた。……はずなのにそこから数秒、数分経っても全く自分の唇に触れてくる感じがなくて、そっと目を開けると輝は目を細め愛おしそうに楓を見つめていた。
「……キスしていい?」
少し掠れた声で聞いてくる輝に、心臓が爆発しそうになった。そしてちゃんとキスひとつでも、聞いてくれることに昨日の言葉を思い出す。
「楓が嫌がることは絶対しない。無理もさせない。自分の欲だけで怖い思いをさせたくない」
きっと嫌だと言えば輝はしないと思う。でもはじめて味わったあの甘い痺れと柔らかい感触が忘れられなくて、もっと欲しいと思ってしまった自分がいる。
「聞かなくても……いいよ……。輝なら大丈夫だから………」
「その言葉を言われると歯止めがきかなくなる……」
少し眉を下げ困った顔を見せたあと鋭い目つきに変わった輝は、楓の柔らかな髪を撫でたあとそのまま引き寄せ優しく唇を重ねた。
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