アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
-42-にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
-42-
-
昔から椿は自分の大切なものを要にあげ、そして奪われてきたもんだから自分の好きな人だけは奪われたくない。
そう思ってしまった。
要はその可愛さを生かして体を使って遊んでいる。
だからだろう。椿が変な噂をされるのも理由は遊んでいる要のせいであると…
絶対、要に椿が相沢明弘を好きなのをバレてはいけない。
「相沢明弘さん、明弘さんで良いかな?」
要は可愛らしく相沢明弘に迫りながら笑顔を見せる。
そんな姿を椿は嫌だと背を向けて陸に向かって気づかれないようにため息をつく。
「椿さん…と呼んでも良いよな?」と相沢龍太が聞いてきたので椿はそれにコクリと答える。
「ん、じゃあ俺と連絡先を交換しよう。多分なにかしらと便利だろう。」
「…はい。」
椿は断る理由もないので自分の連絡先を相沢龍太に見せた。
「はい、じゃあ完了っと。」
ピロンっと彼の携帯が鳴り「椿さん、俺用事ができたんで明弘になんか言われたら言っといてくれ。」
スタスタと相沢龍太は椿の返事も聞かずそのまま急いで言ってしまった。
「は…い…」
「明弘さん!そういえば…」
と要の楽しそうな声が後ろから聞こえてきて胸が痛かった。
その声を椿は聞けないように遠くに離れようと歩き出す。
陸もそれが分かっているのかただ黙ってついてきてくれることに感謝をする。
「あっ!あれは拓海…」
陸が藤原拓海を見つけて嬉しそうな顔をしたと思ったらたくさんの女性に囲まれている彼を見て悲しそうにした。
それを見た椿はまさか…なんて思ってしまった。
陸は俯いて立ち止まってしまった。そんな陸の近くにいて陸が何かを行動するまで待つことにした。
「っ…なんでいつもあんなにたくさん囲まれているの?」
「…」
そりゃ嫌だよな…
もしも陸が藤原さんを好きならばあれは苦しいだろう。
自分だって相沢明弘がすごく周りの人に気にされているのを見ているのが嫌だ。
椿は藤原拓海の方をじっと見て気づいてもらえるか数秒見た。
そしたらこっちに気づいて俯いている陸を見て驚いたのか、周りの人たちに挨拶をして焦りながらこっちにきた。
「あの、陸…」
「…来ないで!っ拓海のバーーーカ!」と言って急に走り去ってしまった。藤原はそれを追いかけるように陸と一緒にいなくなってしまい、椿はたくさんの人の中で一人になってしまった。
「… やっぱりあの二人って…」
とりあえず椿だって目立ってしまうわけだから、ここで立ち止まっているわけにもいかず端っこに移動をする。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
43 / 563