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パーツ 21
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真弓side
今回の社員旅行は去年と同じホテル。
一応一人一部屋。風呂もトイレも部屋には有る。
だが 真弓は有るかどうか分からない チャンスを有効に生かす為 会社には内緒で同じホテルの別の階に 個人で部屋を取っていた。
無駄になるかもしれない。だが 去年のように 会社から割り当てられた自分の部屋に部品の誰かが来る可能性だってあるかもしれない。
そして部品課の女性が言っていた 秘書課の女が 来るかもしれない。そうなったら 避難の為。
もしかして 千春が 了承してくれて 2人で話すことが出来るかもしれない。
そんなことが あれば 誰にも邪魔をされたくない。
邪な 考えがないと言えば嘘になる。
もし もしも 強引にでも くちびるを奪って拒まなければ 千春と その先に。
…………
飛行場からバスに乗り 観光をして 夕方近くに 目的地のホテルに到着した。フロントで鍵を受け取り 各々の部屋に。
とりあえず 露天風呂に行き ひとっ風呂と 館内の案内図のパンフレットを見た。
館内に屋外の露天風呂は3ヶ所。
普通の大風呂は2ヶ所。
会社の役員クラス取締役達は 自室には普通の風呂ではなく 小さいながらも庭がありその一画に露天風呂がついている。
だから館内の大風呂には役員達は来ないだろう。他の社員も 食事前にカラオケを などと言っていたから 来ないだろう。
真弓は昨日まで 休暇前の仕事が押していて かなり遅くまで会社で仕事をしていた。
自宅の一人住まいのマンションに帰ったのは日付が変わってからだった。
シャワーだけ浴びて寝てしまった。
ゆっくり風呂に入って夕食まで仮眠でもしよう。
それなら誰も来ないような風呂でのんびり浸りたかった。
ならば一番遠い 本館の端の地下風呂にでも行ってみるか。
今日のように快晴ならば 夕陽の見える露天風呂は混むだろうと 何気なく チョイスした。
地下風呂は本館の地下まで降りて 渡り廊下の様な通路を 歩いてたどり着く風呂だった。
このホテルは 去年リニューアルされたホテルだから 地下風呂は旧館時代の名残なのだろう。
脱衣所も木製の棚や脱衣籠は 年季が入っている。エアコンは無いようで 大きな扇風機が数台回っていた。
服を脱いで浴場に行くと 天井は 抜けて夕空が臨めた。
お湯を何杯か掛けて岩で囲まれた湯舟に入った。
沁みるような温泉にほおっと息を吐く。
少しぬるいが 白濁の湯は肌にまとわりつくように 気持ちいい。
まわりを見回すと いびつな形の浴槽は 瓢箪のように奥にも 丸く 湯が満々として 広い。
地下の為 奥は 薄暗い。
誰も居ないから 今夜の食事のあと どうやって千春に 近付こうか ゆっくり策を練る。
湯に浸かりながら 千春に思いを馳せる。
あの くちづけは 忘れられない。
今まで ノーマルで女としか 情交を持ったことがなかった。
しかし 千春という人間と接して 囚われてしまった。
あの顔を間近にしてくちづけをせずにいられなかった。
近くに居れば抱き締めたくて仕方ない。
かといって 他の男には何の欲情もしない。考えただけで おぞましい。
なのに
あの声 あの顔 あのからだ あの匂い
すべてが いとおしい。
くちづけしたら 更に更に 惹かれてしまった。
笑った顔 困った顔 見上げる眼差し 真剣な仕事の顔 電話で話している様子 タバコを吸う仕草。
抱き締めたあの感触は 思い出すだけで 勃ってしまう。
あのくちづけしたあと 何度千春を恋うて自慰をしただろう?
せずには いられなかった。
しないでおこう と 思っても 熱を持ち猛るモノ。
なんで 惹かれるのだろう?
親しく話し始めて さほどの時間は経っていないのに。
同じ職場になって それほどの時間は経っていないのに。
くちづけも 軽はずみな 気持ちではなかったと思う。なるべくして なったのではないかと 自分に言い訳じみた 自省も有ったが やはり くちづけせずにいられなかった としか 結論が出なかった。
千春も 嫌がっては いなかったと思うが どうしていいのか 分からない。
こんな 学生よりもひどい 戸惑いはしたことがなかった。
一人の人間 しかも同じ同性の男 しかも若いとは決して言えない 千春という存在に どうやって 近付こうか こんなに悩むなんて。
こんなに苦しい想いを抱くなんて。
自分に自信が無くなってしまうなんて。
話しかけようとして ドキドキして 怖くて話しかけられない。
ああ
千春。
君を この胸に 抱き締めたい。
僕だけに 笑いかけて欲しい。
僕を 見て。
君は 僕が 上司だから
キスだけを許してくれたの?
あやまち を 悔いて いるのか?
僕を どう思っているのか?
気持ち悪い 奴だと 思っているのか?
君は もしかして 女と付き合っているのか?
有り得る。
結婚して離婚したんだよね。
つまり 対象は 女。
僕は ただの 気持ち悪い 上司かもしれないのか?
もう 一度 二人で話したい。
報われないと分かっていても 君が ぼくだけに 与えてくれるひとときの 時間が欲しい。
いつから 僕は こんな 女々しい人間に なってしまったのだろう?
涙さえ 滲む 思考の低さに 一人風呂から 上がって 脱衣所にノロノロと向かった真弓だった。
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