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其の一にしおりをはさみました!
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其の一
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世界中でたった5パーセントの人口のαが世を支配するこの世界で、僕の夫は、その中でも最上位層に君臨する家系の、最上位者として存在していらっしゃいます。
僕の家系は、古くからずっと彼の家系の腹の役割を果たしてきました。
腹－－つまりは優秀なαを産むための道具。
αはなぜか、Ωの腹からしか生まれないのです。ごく稀に、ΩからβやΩが生まれる場合もありますが、これは本当に稀ことなのです。
そして逆に、αの腹からはΩしか、βの腹からはβしか生まれないのございます。
βがβを産むのはともかくとしても、αの女が子を産んだ時、わかっていたこととはいえ、優秀な自身から卑しいΩが生まれたことに発狂してしまうプライドの高いαの女性も少なくはございません。
そのため最近ではα女性の出産率が異様に低く、Ωが生まれないため必然的にαも生まれなくなり、今日ではΩが非常に大切にされているのです。
逆にαとして生まれた女性はΩを産むための腹として、大切に、しかしプライドを高くしないよう育てられます、。
それぞれしか生まれない理由はよくわかっておらず、αの者も優秀な家系に下等な血を入れるのをなるべく避けるためにどうにかαからαが生まれないか、研究を重ねているものの、未だαはΩから生まれるものとなっております。
しかし最近では諦めたのか、腹としてのΩを正式に妻として受け入れ、子を産んだ後にαの女性と結婚し、夫婦となるのが一般となっております。
つまり、αの男性にのみ、重婚が認められるのです。
一昔前は産んだら即離縁か、Ωの首を落とされるのが普通でしたが、流石に人道上問題なのでしょう。
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