アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
5にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
5
-
結局、無難でシンプルな服ばかりを選んだ。
でかい袋二つ分の荷物を二人で持ってショッピングモールを歩いていく。
隣のポチは早速、新品の服を着て御機嫌そうだ。
「着心地はどうですかポチさん。」
「えへへ、最高だよ探偵さん。」
「そりゃよかった。」
さて、次は大本命の電球だ。
これが無きゃ今日の夜もまた廊下でアレコレしないといけなくなる。
二人して電気屋へ向かっていく。
「探偵さん、アレなに?」
指差す先には自動販売機。
普通に飲み物が売ってる一般的な自動販売機だ。
…これも忘れてると。
「自動販売機だ。これは飲み物用のやつだな。金入れて好きなの押せばそれが出てくる。売り切れになってなかったらな。」
「なるほどなるほど。…へぇ、ふーん。」
「なんだその目は。」
「んー、出てくるとこ見たら少し思い出すかも…?」
「…素直に買いたいって言え。」
「いてて、叩かないでよ。」
わざとらしく笑うポチの頭をコツいて財布を取り出す。
財布から160円取り出してポチの小さな手のひらへ握らせる。
「ココに入れるだろ。」
「うん。」
「で、好きなの押せ。」
「うーん…なんの飲み物かわかんないね。」
「名前書いてるだろ。」
「…うん、書いてるね。」
ポチが一つ一つ指でなぞりながら念入りに選別していく。
自販機で普通そんなに悩むか?
たかが飲み物だぞ。
「ほら、さっさと決めろ。」
「んー……じゃ、これ。」
「メロンフロートか。味覚はお子様だな。」
「お子様で悪かったですねー。うわ、出てきた。」
「出てこなかったらボタン押すだけの機械じゃねぇか。ほら、取って開けて飲め。 」
「はーい。」
元気な返事の後に体に悪そうな色の液体を飲み込んでいく。
大体の味は想像できる。
まぁ、甘いやつだ。
「どうだ?美味いか?」
「うん、冷たい。」
「…味の感想は。」
「甘いね!」
「だろうな。」
0点の食レポに笑いながら気を取り直して電気屋へ向かう。
コイツといるといつまで経っても目的地へ辿りつけなくて困る。
いい意味で。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 149