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鳴き声にしおりをはさみました!
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鳴き声
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飯まで寝とけ、なんて言われてベッドへ押し込まれる。
ご飯を作るのは俺なのに。
少しだけ眠かったらお言葉に甘えて布団にくるまって目を閉じる。
暑がりの探偵さんはいつもクーラーを低めに設定するから布団をかぶって寝るのが1番気持ちいい。
目を閉じると、さっき聞こえた怖い人の声がまた聞こえてきてしまう。
話しているに内容は上手くわからなかったけれど。
少し前、探偵さんがお風呂に入っている間にこっそり見てしまった封筒の中身。
たった2枚の写真。
「…どうしよう。」
その二枚の写真は、どうしても消したかった記憶で。
何もかも無くしたはずだったのに俺の知らないところで残っていた。
あの写真を見た探偵さんはどんな風に思ったんだろう。
気持ち悪いって、汚いって。
きっとそう思ったはず。
だってそれはおかしな事で。
普通の皆よりもずっとずっと気持ち悪い。
「ポチ、起きてるか?」
急に聞こえてきた探偵さんの声に体が強ばる。
寝てます、寝てるからお返事は出来ません。
「…寝たか。」
そう呟いて布団の上からポンポンと優しく体を撫でられる。
前と変わらない、優しい手。
あんな写真を見たのに嫌いにならないの?
どうして?
布団の中で寝たふりをしながら頭の中はぐちゃぐちゃのままだった。
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