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18歳以上ですか?
8にしおりをはさみました!
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8
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要が家を出て言った後も、二人沈黙の中でただ向かい合っていた。
…どうするか。
そう思っていると急にポチが顔を上げて声を上げる。
「…おはよ、探偵さん!昨日はごめんね。家追い出しちゃうみたいなことして…」
「あ…あぁ、気にするな。何も問題は無い。」
「よかった。安心したらお腹空いちゃった、何か作るね。探偵さんはお腹すいてる?」
「あぁ、もらえると助かる。」
「わかった。少し待っててね。」
無理矢理に笑ってそう言われる。
本当は笑えるような状況じゃないはずだ。
辛そうな顔を見るのは気が引けるが、ここで余計に掘り下げるのもどうかと思う。
…こいつにとっての最善策がいつもわからない。
「探偵さん、…あのね。少しだけお願いがあるんだ。」
「なんだ?」
「…もしまた、昨日みたいにおかしくなっちゃったら。うるさいかもしれないけど気付かないフリをして欲しいな。」
「…わかった。」
「ありがとう。」
台所から顔を覗かせると満面の笑みでそう言った。
こいつにとって、自分の事を知られるのがどれくらい辛いことなのか。
…俺には、さっぱりわからない。
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