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「男色だと…、」
「違うっ!!国王の前だと言ったなっ!?国王はもうこのことを知っているのかっっ!!」
寿が声を荒げる。
タキは寿の前で膝をつく。
「‥はい。朝早くから隣国の皇子が国王の元を訪れられて、寿様を嫁に欲しい、と仰られました…」
「……。…それで国王は承諾したのか…?」
「‥はい。寿様を幸せにしてくれるなら…、と」
寿は小さくため息をついて、ふと窓から空を見上げた。
寿の心とは正反対で晴天だ。
(…幸せ、か…)
「……。…国王の命令なら仕方ない。‥…男娼になるしかないな…」
今まで生かしてくれた国王が男娼になれ、というならなるしかない。
それが寿に残された生きる術なのだから。
「寿様…!」
「タキ、隣国の皇子はこんな容姿(ナリ)がそんなに気に入ったのか?こんな容姿(ナリ)が気に入ったなら、隣国の皇子が飽きるまで男娼でも何でもなるしかないなっ!!」
寿は自虐的に笑う。
「寿様っっ!!」
タキが咎めるように寿の名を呼ぶ。
「自分で自分の品位を下げるようなことは言ってはいけません!寿様は国王はじめ、寿様は皆さんに愛されています。そんなことを言われたら私は泣いてしまいますっ!!」
タキが両手で寿の手を包む。
「私も隣国に参ります」
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