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18歳以上ですか?
-46-にしおりをはさみました!
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ご飯を食べ終えた後、一緒に入るか?とからかってくる狐塚さんから逃げてお風呂に入る。湯船に浸かると体に溜まった疲れが滲み出てくる。昨日はあまり眠れていないんだろう。
お風呂から上がりドアを横に引けば、塊の白い湯気が洗面所に漏れ出て、あっという間に鏡が白く曇る。体を拭いたタオルで鏡を軽く拭けば、さくらんぼのように赤くなった自分の顔がそこにはあった。
切り取られた鏡の中で、ぼんやりといつまでも浮かんでいる。鏡の中の自分と見つめ合い、同時にため息を吐いた。
湯冷めしないうちに狐塚さんのスウェットを着る。リビングに戻り、狐塚さんが俺と入れ替わりでお風呂に向かうのを見送った。時計を確認すれば、まだ19時過ぎ。
お祭りをしている桜並木の通りから近いせいか、陽気な音がかすかに聞こえてくる。ふと窓の外を見れば、最後にカフェの窓から見た時よりも、圧倒的に人の数は増えていた。某ジブリ作品のキャラクターの言葉を借りれば、人がゴミのようだ。
少しテレビの音を大きめに調整して、お祭りの音をかき消す。外の雰囲気がいつもと違うというだけで落ち着かない自分が情けなくて、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、一口喉に流し込む。冷やされた水が、火照った頬を少し冷ましてくれた。
「……はぁ」
この、体の倦怠感。嫌な感じが振り払えなくて、気になって、それでも気にする必要はないと言い聞かせる繰り返し。最初に一線を越えたのは、俺の方なんだから。
「ふぅー…ちょっとこの部屋暑くないか?」
「あ、冷房の温度下げます~?」
「頼むわ」
相変わらずお風呂が短い狐塚さん。俺が出てからもまだ10分も経っていない。上半身裸の狐塚さんに、毎回ドキドキさせられるから見ないように視線を逸らす。
狐塚さんがお風呂から帰ってきてから、リビング中に大人の色気をまき散らしている。この人と毎日一緒に暮らしたら、男の俺でも自然妊娠しそうだとバカなことを考えた。
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