アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
3にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
3
-
俺は烏野のベンチに行った
「なにがあったんですか?」
聞けば清水先輩が答えてくれた
「アタックの時、日向と東峰がぶつかったの」
「怪我は?」
「どっちも大丈夫」
怪我をしていない事に俺はほっとし、息を吐き出した
なんとなくぎくしゃくした空気の中、音駒との一戦は負けで終わった
ペナルティを終え武ちゃんの下へと集まる
「皆さんはここにいるチームの中で一番弱いですね」
武ちゃんは笑顔でそう言い放った
「どのチームも公式戦であたったなら、とても厄介なチーム。彼らをただの敵と見るのか、それとも技を吸収するべき師とみるのか。君たちが弱いと言う事は伸びしろがあると言う事。こんな楽しみな事ないでしょう」
「あざしたーぁ」
「「「「したーーぁ」」」」
みんなが散って行ったあと鵜飼さんが親指を武ちゃんに向かって立てた
「今なんか先生みたいで頼もしかったぜ。ありがとな」
「あぁ僕、一応教師ですけども」
ふとみると、スガさんが日向と影山を連れて外に向かうのが見える
俺と鵜飼さんは顔を合わせ、そのあとをそっと着いて行く事にした
日向の声がきこえる
「青城戦のラスト気づいたら負けてた。気づいたら打ったボールは俺の後ろで、床に落ちてた。俺が負けたのに影山に謝られるなんて嫌だ。空中での最後の一瞬まで自分で戦いたいっ!」
よく言った日向
俺は小さくガッツポーズした
「青城戦でスパイカーの100%を引き出すのがセッターだってちょっとわかった。あの速攻はお前の最大の武器だ。そんであの速攻にとって、ほんの少しのズレは致命的なズレになる。あの速攻にお前の意思は必要ない」
その言葉に俺はキレたんだと思う
影山が体育館に入ってきた
入れ違いに鵜飼さんが日向の所へ行く
俺は影山の襟元を掴み壁に叩きつける
「お前、セッター辞めた方がいい」
同学年と比べても決して低い方ではない俺の声は、自分でも驚くほど低い声だった
それだけ伝え俺は日向の所へと向かう
いっぱい頭を撫でてやりたい気分だ
鵜飼さんと日向が話している声が聞こえる
「調子のいいときは、スローモーションみたいに見えるんです。田中さんが言ってたみたいに」
「まぁ、ブロックがいつもより見えるときはあるよな」
「青城と練習試合やった時の、最後の一点。大王様、及川さんの顔が見えました。目が見えました」
「あぁそんな気がしたって事か?」
「3対3で初めて速攻決めた時も、向こう側が見えました。てっぺんからの景色が見えました。」
「だから、それはそんな気がしたって事なんじゃ」
ムカついてきた。
うちのセッター連中はなんなんだ。ホント
日向が自分たちより下手だからか
だから、自分の意思を押し付けていいとでも思ってんのか
俺はスガさんの向かい側にたった
「それは俺たちが否定する事じゃないんじゃないですか?」
「「綾斗」」
「綾斗さん」
俺は日向の頭を撫でてやる
汗でびちゃびちゃだ
「空はスパイカーの領域で、セッターの領域じゃない。日向が最後の一瞬まで戦いたいと言うならそれを止める権利を俺たちは持ってないじゃないですか?」
「綾斗さんっ」
日向がきらきら目で俺を見ている
俺は屈み日向と目線をあわせにこっと笑った
「まぁでも今すぐってのは、なしな。お前まだ空中戦を戦う技術持ってないだろ」
日向からガーンっと聞こえそうだ
口を開け目が白くなってる
「あ、居た。そろそろ始まりますよ」
大地さんが呼びにきた事でこの話は一旦お開きになった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
59 / 136