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懸念 sideアメにしおりをはさみました!
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懸念 sideアメ
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「暇…」
閉じ切った扉の横に座り込んで、こねこねと粘土で遊ぶ。
え?この粘土は何かって?
そこら辺の壁とか床の石に、粘土になーれって魔法掛けたら粘土になったから色々作って遊んでたの。結構力作だよ。
動物モドキの手下共でしょ、ノヴァに、それから…ルカ。
「…………おっそい」
いつまで待たせる気なの。お爺ちゃんになっちゃうじゃん。
扉を見上げる。
「あ、そうか」
千里眼で覗けば良いんじゃん。なに律儀に大人しく待ってんの俺。
早速発動して中を覗き見る。
来るなとは言われたけど覗くなとは言われてないもんね。
「んー…」
双眼鏡のピントを合わせるみたいにぼやけていた視界がクリアになる。
あ、やってるやってる。
何だ。結局戦ってるじゃん。
ほらね。魔族なんて自分勝手な奴ばっかって言ったじゃん。
話し合いとか取り合ってくれる訳ないでしょうが。
…これって音とか聞こえないのかな?
臨場感ある戦闘シーンなのに音がないとか、いつのサイレント映画。
試しに耳に魔力を集中させてみると、段々聞こえてくるようになった。
これでよし。さすが俺だね。
ドカッとか、バキッとか、ぎゃああとかって悲鳴が聞こえる。
へー、ルカって結構強いんだね。
あ、あの奥にいる奴さっき俺が見た奴じゃん。うわぁ、解体図鑑とかに載ってるカエルだ。
おえっ、きも。何メートルあるの。近くで見るもんじゃないね、あれは。
吐きそうになっていると粗方片付いたのか、残ってるやつはルカをじりじりと遠巻きに見てるだけで近付いて来ようとはしない。
残るはボスただ一人って感じ。
……このままやっつけてくれたら良いんだけど。何でかな。さっきから当たって欲しくない予感が当たる気がしてならないんだけど。
まさかね。そこまでテンプレな訳ないよね。
『観念しろ。これ以上は無駄だ』
『ふっ…これを見てもまだそんな口がきけるか?』
ぶっさいくな面を更に歪ませて笑ったかと思えば、ぶさガエルは足元に広がっていた水の中から透明な太い管のようなものを掲げた。
あれは…
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