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褒美にしおりをはさみました!
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褒美
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「だーかーらー、俺はいいって言ってるでしょ」
「だが、今回はアメのお陰で解決できたも同然だ。だからアメが賞賛されるべきだろう」
一仕事終えてもうすぐ村に着くって時に、何となくそういえば報酬って何なんだろねって聞いたら何を思ったのかルカが褒美を受け取るべきは俺だと言い始めた。
「嫌だよ面倒臭い。そもそも人助けする気満々だったのはルカでしょ。俺は別にそんな気なかったし、頑張ったで賞的な感覚で勇者らしく褒めちぎって貰って来なよ」
「…しかしだな、」
あーもう、うるさいな。真面目かっ。
「しかしも案山子もないの。もう一回だけ言うよ。俺は、人助けする気なんて更っ々なかったの。結果的に俺が活躍した形になったけど。それもそもそもの話、ルカが行くって決断しなかったら俺は何もしなかった」
だから、これはルカの功績。
行くって決断したのも、俺を連れて行ったのも、ルカだからちょっとだけ手伝う気になったのも。
全部。ルカの手柄なんだから、ルカが賞賛されるのが筋ってもんでしょ。
俺は個人的な感情であの糞蛙をシメただけなんだから。
「…ありがとう。アメ」
ふっとルカの顔がほころぶ。
やっと分かった?
「分かった。報酬は私が受け取ろう。だが、私個人としてアメに何か礼をさせてくれないか」
え。
「村の者からの報酬を受け取れないのは分かった。しかし私が個人的にアメに何かを贈る分には何も問題ないだろう?」
「違うか?」と問われ、返答につまる。
うーん…確かに村人からお礼を言われる筋合いはないけど、ルカからなら…一応危ないとこ助けたし。
でもそうなると、ルカの事だから絶対律儀に何が欲しいって聞いてきそうだし。
でも特に欲しいものとか無いし(それを考えるのも面倒臭いし)、でもそれじゃきっとルカは納得しないだろうし…。
…………あーもう面倒臭いっ。
「物は要らない。その代わり、ルカが俺を褒めてよ」
「褒める?」
「そ。簡単でしょ」
「そんなもので良いのか?」
「十分じゅーぶん」
「そうか…」
「ん」
ほら、と向き直って待っていると、ゆっくりと頭にルカの手が乗せられる。
「ありがとう、今回は本当に助かった。全てアメのお陰だ」
「当たり前でしょ。俺を誰だと思ってるの」
「そういえば、そうだったな。よく忘れそうになる」
「何でさ」
まだボケるには早いんじゃないの。
ま、ルカの痴呆云々はどうでもいいとして。
この後、勇者はそれはそれは村人たちから感謝されまくったそぉーな。
めでたしめでたし、ってね。
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