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57にしおりをはさみました!
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57
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「つかさ!」
病室に急いで向かった僕は
その勢いで思い切り扉を開けた。
「ん…佑月か?」
まるで何事もなかったように僕に話しかける司。
それを見て今まで押し込めていた涙が
一気に溢れ出る。
「つかさ…よかった!…よかっったぁ、うぅ…」
「佑月…また泣かせちまったな。今は動けねえからこっちに来い。」
「つかさぁっ…」
僕はそのまま司の胸に飛び込んだ。
そんな僕を優しく撫でる。
司の手…大好きな司の手が今僕の頭の上にある。
何よりも安心する。
「あらまぁ、私たちはお邪魔みたいね。暫く二人きりにしてあげましょうか。桜庭、荒井。一度本家に戻るわよ。」
「「はいっ!」」
そこで気づく。僕の他にも病室に人がいる事を。
「桃子さん!ご、ごめんなさい!僕!」
「いいのよ、私との約束もあるしね?ゆっくりして!」
「おい、佑月…桃子さんっていつの間に仲良くなってんだよ。」
「あら〜司、嫉妬深い男はモテないわよ!」
「いいから、早く行け」
「仕方ないわね…じゃごゆっくり。」
「あのっ!桃子さんありがとうございました!」
「佑月くんまた会いましょうね?じゃ」
そうして行ってしまった桃子さんと桜庭さんと荒井さんは出て行ってしまった。
静かになった病室、
そんな中声を発したのは司だった。
「佑月…」
「ん?どうしたの?」
「無事に帰って来れなくてごめんな。」
「司、何言ってるの?ちゃんと生きて帰ってきてくれたじゃない。それだけで僕は十分だよ。」
「…。」
「それに、やっぱり司は若なんだね。自分の身を犠牲にして仲間を守ることはそう簡単にできることじゃないよ。」
「…。」
んーやっぱり元気ないな…
なら、僕がこんな時に元気付けてあげなくちゃ。
司には沢山助けてもらった。
だから次は僕が助ける番だね。
そう思った僕は司をぎゅっと抱きしめ頭を撫でる。
「司、よく頑張ったね!やっぱり司は凄いよっ!」
「おい、佑月…ガキ扱いするのはやめろ。」
「ふふっ!やっといつもの司に戻った。」
「お前なぁ…」
小さなため息と共に司は少しだけ笑う。
そんな司に僕は微笑み言いたかった言葉を告げる。
「司、おかえり。」
「ああ、ただいま。」
そしてこの時、2人はとても穏やかな顔で抱きしめ合った。
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