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高等部の入学式-2にしおりをはさみました!
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高等部の入学式-2
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俺は兄と引き離されてから、あまり熟睡をしなくなった。気分が高まると3日くらいは余裕で起きていられるし、過去最高記録は丸6日だった。7日目に入ると強い幻覚が見え始め、やばいなと感じた後、気絶するように眠ったのを覚えている。
今日もまどろむ程度に寝ていたのだが物音がした気がして起き上がり、時計を見ると午前4時を少し過ぎていた。いつものように頭の中は霞がかかりスッキリしない状態で、バスタオルと下着を取り出すと、重い足取りでユニットバスに向かった。
「えっと、このシャンプーとボディーソープらしきものは何だ?」
髪も体も牛〇石鹸しか使わない俺のユニットバスに、デデーンと置かれて存在感を出している、これ。見るからに高級品だろうと思われる物について、ボヤけた頭で考えてみるが答えは一つしか出てこない。
どうやら同室者がいるらしい……え?いいのか?いいのか?
過去を振り返ると不気味な俺との同室生活に耐えきれなくなった部屋替え希望者が後を絶たず、俺との共同生活は無理だと烙印を押された記憶しか思い浮かばない。
また可哀想な被害者を生み出すことになるのだろうか。きっと俺の事など知らない外部生だろうと思われるのだが、希望に胸ふくらませて入学した早々の部屋替えは流石に申し訳ない気がする。
ブツブツ唱えながら全身をくまなく牛〇石鹸で洗い上げると、昨日は素通りしたリビングに入り辺りを見回してみた。やはり同室者の存在を表す物がそこら中にあったのだ。
リビングとは言うものの10畳程の広さで二人がけのソファとテーブルが常備されているのだが、よく見ると学園で用意されているものよりもかなり質が良い物に取り替えられていることが俺でも分かる。
ついでに小型の冷蔵庫を見つけた時は一瞬でかしたぞと喜んだのだが、近いうちに持ち主と共にこの部屋からサヨナラするだろう。
小さいながらも冷凍と冷蔵部分が別れていて使い勝手が良さそうだ。高等部の生活への気合を感じる一品だった。
「どうせ俺が使うにしても納豆を保管するくらいだろうしな」
食に興味の無くなった俺自身を失笑しながら冷蔵庫をしばらく眺めたあと、何だか馬鹿馬鹿しくなって来て、リビングの奥の左側の自室へ戻った。
再びベッドの中へ潜ってうつらうつらとしている内に遠くで物音を耳にした気がしたが、対して興味もないのでアラームがなるまで微睡んでいた。
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