アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
気づくにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
気づく
-
「あー…えと、御免。でも、怪我なくて……本当によかった」
抱きしめられてから約5分くらいかそれ以上かして、米崎さんは俺を離した。米崎さんの表情から読み取れるのは、本当に安堵、だった。
「あ……いえ…本当、ありがとうございました」
「いいえ、そりゃ俺のが年上だし守らないとね」
…また寂しそうな、儚げな微笑み。
この顔を見るたび、俺の胸はきゅう、と苦しくなる。何でこんなに苦しくなるのかは、よくわからない。けど、米崎さんには笑顔が似合う、と思うから。だから、そんな寂しそうに笑わないでほしい。
そして何を話せばいいのかわからないまま、また米崎さんは何か考え込んでいるみたいだったし、帰りは殆ど話さなかった。
「りお……かぁ。」
家に帰ってベッドに寝そべって一言。すごく、気になる。けど、また聞いて拒絶されたら、俺はなんか打たれ弱いから…今度こそ泣きそう。
大切な人だったのかな…、妹、とか姉、とか従姉妹…とか。………………恋人、とか。チク、とまた胸が痛む。俺は、好きはもうちょっと優しくて柔らかいものだと思ってた。米崎さんといると、幸せな時もあるけど、結構、胸が痛くなる。
………え、俺好きなの?
米崎さん?え、え、え……?
今、普通に好きって、えっ……?
思わず顔が熱くなる。
……うわあ、…俺…。
「…好き、なのかな…」
ポツリと呟いて少し寝た。パチ、と目が覚めたら夜中の2時。ご飯も食べずにお風呂にも入らなくて…、何やってんだ、と思う。目をこすってとりあえずシャワーを浴びる。……米崎さん、華奢だと思ってたけど……意外と手も大きいし、…身体も、俺を包み込められるくらいには大きかったなあ、とぼーっと考える。
あー…やめだやめだ、照れるでしょうが。
りお、のことは気になったけど、頭の隅に入れることにした。考えても仕方のないものはある。そんな風に考えて。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 48