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「健太って朝弱くなかったか? 早く来て作業してるとか、意外」
「まー、放課後はさっさと帰るんで。代わりにこうするしかねぇっつーか」
ふざけたように笑いながら、健太は机を俺と向かい合うように移動させた。黙々とやるより、しゃべっていたほうがはかどるらしい。
「頑張ってんだな」
「うぉおおお、もっと褒めてぇええ! 日頃ちっとも褒めてくれないぶん、もっともっと褒めてくれええええ!」
「うっせー、調子乗んなバカ」
「鬼スパルタの凛也ちゃんに褒められると、そんぐらいマジうれしいってこと!」
健太は席につくなり、戦闘モードに入った。“慣れている”という言葉通り、ムダのない動きでプリントを種類ごとにわけていく。クリップを必要な数だけ箱から出しておくのも忘れない。
大福を飲み込むとすることがなくなった俺は、真剣に作業する健太の顔を凝視していた。
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