アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
2にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
2
-
はじめて、奴の行為を見たのは、資料室だった。
ーーー入学したての春の終わり頃。
頼まれた荷物を運び終えた直後である。
それ、が聞こえたのは。
「あ、ああっ!!御船、くん、あ、っだめ
きもち、っあぁ!」
卑猥な音とともに聞こえてきた声。
近づいてはいけないとわかっていながら、
足は恐る恐ると、その声の方に向かった。
資料と机の陰に、2つの人影が見えた。
御船ーーー。
嬌声を上げる女に跨っていたのは、クラスで一番のプレイボーイ、御船だった。
分かった瞬間動悸が酷くなった。
どくどく、と警告を鳴らす。
速く離れろ。
早く逃げろ。
見つけてしまったまま、動けなかった七瀬に気づいた御船は、焦るどころか、ニヤリと...
七瀬に向かって口を歪めた。
まるで挑発するかのように。まるで、なにか...
そう、誘惑さえするかのように。
ーーーああ、見つかったか。そんなところに突っ立ってないで、
お前も混ざるか?それとも...
女は気づかぬまま、喘ぎ声をあげている。
御船は構わず行為はつづけている。
まるで見せつけるかのように。手招きをする様に。
御船の顔はまだ纏わりつくように、嗤っている。
不意に弧を描いた口から白い牙と赤い舌が見えた。くつ、くつくつ。
七瀬はカッと顔を赤らめ、御船をひと睨みした後、その場を立ち去った。
あの瞬間からだ。
あの日から。
あの表情が、七瀬に焼きついて離れない。あの声が離れない。くつくつくつ...
あの獣の瞳が忌々しいほどに、脳裏に焼きついたのは。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 164