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下校2にしおりをはさみました!
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下校2
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5分後、正門に着くと「遅い」とピシャリと言い放たれた。それだけで体がぎゅっとすくむ。
「す、すみません」
ビクビクしながら謝ると、はぁと先輩はため息をついた。きっと、怒ってるんだろうなあ。なんで一緒に帰らないといけないんだろう。気持ちが暗くなる。
「あの、本当、すみません」
「もういいから。早く行くぞ」
「あ…はい」
歩き出しても、2人の間に流れる空気がなんとなく気まずくなる。
僕と先輩とはどっちも電車通学で、乗るのは反対方面。駅までの辛抱か、と思っていた。
「今日、家まで送るから」
「ひゃっ?え、え?あの、だ、大丈夫です。先輩、電車逆ですし」
「いいから俺が送るっつってんだろ。そこは後輩らしく、ありがとうございますって言えよ」
「あ、すみません」
また、先輩を怒らせてしまった。
遠くから見るぶんにはかっこよくていいかもしれないけど、僕はこの先輩とは合わないのかもしれない。
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