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告白練習にしおりをはさみました!
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告白練習
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放課後、まだ暑さの残る体育館で僕は必死に汗を流していた。
練習に集中はしているつもり。だけど、ついネットの仕切りを隔てた向こう側、甲組のコートに目がいってしまう。
「おらお前らへばってんじゃねえぞ!シャキッとしろ!」
「はい!」
先輩の声、うるさいなあ。そんな大声だとこっちにまで聞こえてきちゃいますよ。
なぁんて思いながら、笑顔になってる自分がいる。
立山先輩は、ここ東秀(とうしゅう)高校のバスケットボール部キャプテン。
東秀自体は毎年県大会止まりの実力だけど、立山先輩単独でみると、中学時代は関東大会常連校のスタメン、つまりは超強い。なんで東秀にきたのかわかんないくらいだって大志はいっていた。
「お前らぁ!!何度言ったらわかんだよ頭狂ってんじゃねぇぞコラ!」
そして、少々口が悪い。
一部後輩からは「怖い」と不人気だ。実際僕も付き合うまでは怖かった。憧れの先輩ではあったけど。
「あんな怖いのに、ナツなんて。ふふ」
「郡山どうした?独り言いってるぽいけど」
「あわっ!あ、すみません」
「いいけど。集中してないとボール当たるぞー」
「はいっ」
先輩に注意されてからしばらくはバスケに集中して、またこっそり甲組のコートに視線をやる。
あっ、目があった。
立山先輩はすぐに目を逸らしてしまったけど。なんだか、それだけでも笑えてくるよ。
甲組と乙組、ネットで隔たれたコートの中で、部内で1番下手くそな僕と1番上手な立山先輩が実は恋人だなんて、本当、笑えてくる。
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