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反抗期 一郎sideにしおりをはさみました!
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反抗期 一郎side
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郡山くんの話を聞いたその日の夜、僕はナツに電話をした。
ナツが理由なく郡山くんを放っておくわけがない。郡山くんはナツの1番大切な人なんだから。
『なに一兄。俺今勉強してたんだけど』
3コール目あたりで出たナツは、少し不機嫌そうだった。
こんなこと言いながらも結局は電話に出てくれるナツは、やっぱり何歳になっても本当の弟みたいで可愛いと思う。
「ごめんね。ちょっと郡山くんのことで聞きたいことがあって」
電話の奥ではっと息を吸う音が聞こえた。
『郡山の話は今はナシだ。一兄がそばにいたら郡山も大丈夫だろ』
「大丈夫じゃないから電話してるんだよ。ナツ、どうして郡山くんを避けるの。郡山くん泣いてたよ?」
『うっせぇよ!俺には俺の事情があって、俺は俺なりに郡山のために…』
後半になるにつれ、ナツの声は泣きそうになっていた。
やっぱり、何かあったんだ。
「事情があるなら僕に教えてよ。何か助けてあげられるかもしれない」
『一兄に話すことはねぇよ。俺は1人で郡山を守れる』
「守れてないじゃん」
『だから!お前は余計なお世話なんだよ!もう話しかけてくんな』
ナツ待って、と言う前に電話が切れた。
もう一度かけてももう繋がらなかった。
昔はいちにーちゃんって誰よりも僕に懐いてたナツが、今ではお前呼びか。少し傷つく。
いつの間にか僕より背が高くなって、体つきもガッシリしてきて、声も低くなって、好きな子ができて、どんどん大人になっていくナツ。
そんな可愛いナツの成長を誰よりも近くで見ていたいと同時に、成長して僕から離れていく姿を見たくないとも思う。
もう、ここまでくると兄というより親だよなぁ。1人で笑えてくる。
これもナツの成長なら、少し遅めの反抗期か。
それなら仕方ない。いちにーちゃんって僕にべったりだったナツも少し恋しいけど、今はナツの成長を喜ぼう。
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