アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
-
もし、佳那の姉が生きていたとして、雅弘と佳那の関係を知ったらどうだろう。
きっとその立場が自分だとしたら、ソイツを殺したいほどに憎い。
道徳で教わる"人を傷つけてはいけないこと"を。やってはいけないことを。雅弘は犯した。
佳那「………雅弘さん?」
真実を知らない佳那の瞳に映る自分。何も無かったように振る舞う自分。
佳那「大丈夫ですか?お仕事疲れてたのに…僕が無理させちゃったから…」
それは高校生活を頑張っている佳那も一緒で疲れているはず。だが、佳那は自分が疲れているとは口にしない。自分のことよりも他の人を気にかける、そんな優しい子なのだ。
優しすぎて涙が出そうだ。
小さな体にぎゅっと抱きしめられ、小さいはずなのに大きく感じた。
辛い気持ちは、柔らかな体温によって消えていく。
佳那「だいじょぶです………雅弘さん…大丈夫」
何が大丈夫なのか、きっと言っている本人は分からないだろう。その言葉で雅弘はさらに泣きそうになる。
雅弘「どうして…そんなに優しいの」
佳那「どうして………えっと………いつも優しいわけではないけど、今の雅弘さん消えてしまいそうな、悲しい顔してるからギュッてして、大丈夫大丈夫したほうがいいかな…って思って」
天使だ…天使すぎる。
佳那「わぁっ…雅弘さんっ!!?!」
雅弘はぎゅっと抱きしめ返す。頬へ伝う涙を見られないように。泣いてしまう卑怯者を隠すように。
心配して佳那は雅弘の顔を見ようとするが、見られまいと雅弘は腰に回している腕の力をさらに強めた。
雅弘「ごめん………もうちょっとこのままでいさせて」
もう少しだけ、夢を見させて。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
88 / 167