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俺たちに射す斜陽〜修二〜
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修二「華南は僕のタイプなんですよ」
にっこり微笑むと、百目鬼さんは目を丸くした。そしてクックと喉の奥で笑って、写真の華南をまじまじ眺める。
華南をどうして好きか、本当の事をこの人に話す義理はない。
まぁ、嘘ではないけど。
百目鬼「これが、お前のタイプ?むつ君はどうしたむつ君は」
修二「隠し撮りして脅してくる人にいちいち答えたくないんだけど…」
百目鬼「コレは脅しの道具のつもりじゃなかったんだが…。脅しに使うのもいいな。お前から本当のことを聞けるとは思ってないからな、参考にしたんだ。処分したいなら、車に残りがあるから、帰りにお前にやるよ」
おかしそうに笑う百目鬼が、手にした写真をヒラヒラ振って見せる。
修二「…帰ります」
そう言った修二が立ち上がると、百目鬼はニヤリと笑って背もたれに寄りかかる。
百目鬼「せっかちだな、話の途中だが」
修二「僕の意見を聞いてくれるんですよね?僕は帰りたい、写真と調査資料を全部よこしてください」
百目鬼「…ふっ、わかったよ」
あっさりした返事に、むしろ警戒を強めた。
ひと気のない駐車場。僕は乗車を拒否して、資料の提示を求めたが、百目鬼さんは、送ると言って譲らない。写真を渡さないぞと言い出したので、仕方なしに、僕は携帯を握りしめ、後部座席に乗った。
ドアを閉めようとしたら、百目鬼さんが後部座席に乗り込んできて、僕は警戒して入ってきたのと反対のドアに手をかける。百目鬼さんは手の中の資料をチラつかせて意地悪く微笑んだ。
百目鬼「逃げたら返さないぞ」
僕は諦めてドアから手を引いた。
百目鬼さんは、後部座席に居座ったまま、自分の方のドアを閉め、僕に詰め寄ると、手を伸ばし。僕の方の扉をロックした。
百目鬼「修二、話しの時間は終りだ。掛けをしよう」
目と鼻の先まで寄ってきて、百目鬼が囁く。
百目鬼「俺は、どうしても知りたいことがある。でも、お前は本音は言わない男だ。だから体に聞く。掛けの内容は簡単だ、俺に触られて射精しなきゃいい」
修二「お断りします」
百目鬼「俺はお前を諦めないつもりだが…、お前が心底俺を拒絶するなら諦めてやる。お前の中に俺が残ってるか知りたい」
修二「その掛け、僕は何の得もない」
百目鬼「…。柴田睦美、8人家族、四人兄弟長男、ああゆう生意気なのを泣かすのが俺は好きだ」
百目鬼さんは、本気とも、冗談ともつかない様な笑みで僕を見下ろし、封筒をチラつかせる。
やっぱり、脅すんじゃないか…。
百目鬼「ルールはお前に有利だ、制限時間は10分、本番と前立腺刺激、薬は使わない、お前を少し撫で回すだけだ、縛ったり舐めたりもしない。俺の手でイかなきゃお前の勝ち、俺は諦めて2度と現れない。でも、お前がイったら、俺はお前にアプローチを続けるし、俺とデートしてもらう」
修二「…俺のものなれ…、ではないの?」
百目鬼「俺はお前とやり直したいんだ、そのチャンスが欲しい。安心しろ、俺はこの街に2週間しかいない。……ちなみに断ったら、資料はやれないかも…、それから、俺は今回この街に1人で来たんじゃない」
言ってることがメチャクチャだ。前は1週間って言ってたのに。やんわり脅してるし、強引なとこ…全く変わってない。呆れる。
…でも、僕ちゃん。勃たない自信がある。
修二「キスもしたくない…」
百目鬼「それはお前を取り戻したらたっぷりしてやる」
修二「資料を絶対に渡すと約束しますか?」
百目鬼「今渡す」
百目鬼は、資料の入った封筒を修二に渡し、修二は封筒を受け取り鞄にしまった。
直ぐに右手を掴まれ、身構えたら、修二の右手に腕時計を握らされた。電子版のもので、10.00と表示されてる、どうやらタイマーにしつあり、スタートボタンを押せってことらしい。
大丈夫。10分…、それだけ我慢すれば終わる。
1度深呼吸して、百目鬼に見える位置でスタートボタンを押した。
カウントダウンが始まると、百目鬼が手を伸ばす。
狭い車内、後部座席の右のドアに背中をピッタリつけて、逃げ場のない修二の至近距離に迫った百目鬼が、修二の頬に触れる。
記憶にある手より、少し大きくゴツい手に、修二の体は無意識に震えた。
確かめるみたいに顔を覗き込まれ、見たくもないのに百目鬼の顔がアップで映り、その鋭い瞳に、胃の中からこみ上げてくるものがある。
百目鬼の手は、壊れものを扱うみたいに優しく修二を撫でて、そのまま下がってうなじに触れる。
百目鬼「昔は、触っただけで赤くなってた…」
今の修二の青い顔に、苦しそうに眉を寄せ。
震える肩を見て、欲望が支配したいと囁いて、理性がそれを制止する。
その葛藤は、目をそらさない修二にも伝わっていて、修二はなんとか震えを止めようと努力はしたが、なかなか簡単なことじゃない。
百目鬼の欲望を刺激したくはないのに、体が言うことを聞いてくれない。
百目鬼の手が制服のネクタイに触れる。
スッとほどかれて、体が硬直した。
嫌な汗がジワジワ出てくる。ワイシャツのボタンを一つ一つ外されて、色白の肌が露わになると、百目鬼は眉を上げ、意外そうな顔をした。
百目鬼「…キスマークだらけを想像してたが…、綺麗な白い肌だな」
むつと華南とは、2週間以上体を重ねてない、抜きっこはするけど服を脱ぐことが無いため、新しいのはつかず、今までのものは消えてしまった。
百目鬼「お前の彼氏はキスマーク付けないタイプ?お前の肌には赤が良く似合うのに…」
そっと鎖骨を指でなぞられて、ピクッと眉が動く、ぞわッと嫌悪感が湧いてきて、目をそらした。そこは、ちょっと前まで華南のつけたキスマークがあった場所。
百目鬼は、修二の反応に眉をしかめ、修二のワイシャツを強く引いて、強引に修二に覆いかぶさった。
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