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〔裏番外〕狂愛♎︎<純愛24
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マキと一緒にいると、嵐のように心が乱れっぱなしだ。
素の可愛らしい仕草や計算的な上目遣い…、そして驚いて瞬きするたびにマキを喰っちまいそうな自分を抑えてきた。
きっと、自分を抑えてなきゃマキが調子づいて笑ったろうし、自己犠牲的に相手に合わせるマキを壊してしまうまで追い込むんじゃないかと恐れていた。
案の定マキは、俺のすることになんでも従う。昨日の今日だというのに、俺がのしかかるのを拒もうとはしない。
壊れたりしないと言ったマキ、俺を独占したいと言ったマキ。そして…
〝少しは信じて欲しい〟と言ったマキ。
俺の欲は、まだまだこんなもんじゃないんだぞ…………。
せっかく暴走が朝まで行かずに止まって、マキに夕食作ってやることが出来たのに…。
その夕食にキャッキャするマキを見て、またしてもマキを押し倒した俺って……
もうどうしようもない……
頭の中が馬鹿になってる。マキと別れたことをそんなに後悔し、ベッドから出してやれないほどマキに飢えていたなんて、馬鹿すぎる。誰にも言えない……。
この歳で、10も年下のマキにこれほどまでにどっぷり浸かっちまって……。俺は本当に学習能力がない…。
好きな人が出来ると、それしか見えなくなる。相手の都合も考えず、独占して、俺の手の中で俺に溺れる様が見たくて仕方ない…。破滅的な愛し方しかし出来ない…。閉じ込めて独占して、泣かして俺のものだけにしたくて……、だが、昔よりはマシになったと思う…。そんな自分を怖いと思えてる。昔の俺は、良くないとは思っていても、その欲を止めることは出来なかった。好きだと思う人間と初めて肉体関係を持った過去の修二との滅茶苦茶な俺よりは、だいぶマシだ…。気持ちを言葉にせず、隠していれば多少制御が出来てた。…まぁ、あんだけマキを泣かしたがな…。それが俺だ…。泣かしてその涙を見て好かれてると喜ぶ…それが俺の中の魔物…。
マキに、監禁したいと気持ちを晒した今。俺は自分のコントロールを失いかけてる。
笑顔のマキも拗ねるマキも恥ずかしがるマキもワクワクするマキも…、涙をいっぱい溜めるマキも、全部見たい。
マキを心からの笑顔にしてやりたい、泣かしたくはない。だけど、俺を好きだと言いながら泣くマキがたまらなく愛しくて興奮する。
どうしたら、マキを幸せな気持ちにだけさせてやれるのか…
どうしたら、俺の中の魔物が消えてくれるのか……
そう考えながら、今もマキを押し倒してトロトロに喘がせてりゃ、本当にどうしようもない…。
マキ「ひッァ…どぉめきさぁあッ…アァッ!ああッ!!!ーーーー」
絶頂して痙攣する体。トロトロに溶けた瞳は虚ろに余韻に彷徨いながら、それでも俺を写してる。
桜色に染まった肌をなぞると、ヒクンと跳ねて愛しい吐息を漏らす。
百目鬼「立てそうか?」
マキ「ぁ…直ぐは…、ちょっとまだイッたみたいに中がジンジン痺れちゃってる…」
トロンと溶けそうな瞳が、ふわふわしながら俺を見上げる。どこもかしこも艶やかに染まって、蒸気した肌はさらなる食欲を刺激する。
百目鬼「動けなくていい、そこで待ってろ、コンビニ行ってきてやる」
マキ「え、マジで動けなくするのが目的?」
百目鬼「そうだ。下着以外欲しいものは?」
さっと下半身を拭いてやり、衣類の乱れを直してやる。マキは触るたびに甘い吐息を出してピクンとピクン感じて、少し拗ねたように剥れてボソッと呟く。
マキ「せめて一緒に行きたかった…」
百目鬼「なんか言ったか?」
マキ「ううん、メモ貸して、欲しいもの書く」
マキは幾つか欲しいものを書いて俺に手渡し、いじけたようにソファーで丸まった。
マキ「こんなにしといて放置プレイ…」
百目鬼「…ちょっとくらい我慢しろ」
マキ「……」
百目鬼「後が長いんだからな」
マキ「へ?」
俺の言葉が意外だったのか、間抜けヅラで瞳を瞬くマキの耳元で、わざとらしく低い声で囁いてやる。
百目鬼「お前は何も分かってない。俺は我慢してるっていったろ?」
マキ「ぇえ゛ッ!?」
耳元で囁いたのが効いたのか、マキは顔を真っ赤にして囁かれた耳を押さえてる。
ああ、これは当たりか、こういうのは赤面するのか……。
マキ「我慢を止めたからの、さっきまでの百目鬼さんじゃなかったの?!」
百目鬼「は?さっきまではまだ様子見だ、まだ十分の一にもなってないな、今までとそんな変わらないだろ?」
マキ「ッ!!!!」
あっ、絶句した。
マキが何に驚いたのかいまいち分からない。そりゃ、さっきのは思わず襲っちまったが、あれはマキが悪い。オムライスごときにあんなはしゃぐマキが悪い。あんなのどう見ても据え膳だ。とびっきりの女体盛りならぬ、マキの無邪気な笑顔キャピッと裸の子猫盛りだ。据え膳なんだから遠慮なく喰ったまでだ。
それ以外はいつも通りだろ…。
マキ「…無自覚…」
百目鬼「あ?何が」
マキ「なんでもないです…」
顔を真っ赤にしたマキが、ソファーのクッションに顔を埋めてしまった。
百目鬼「マキ…、嫌なことは嫌だと言えばいい」
マキ「嫌だなんて言ってない!」
百目鬼「…言っておくが俺の事で我慢するな、なんでも許すのはいいことじゃない、自分を犠牲にするな」
マキ「どうして信じてくれないの!僕!百目鬼さんと居たいから一緒にいるし、百目鬼さんの全部が欲しいのに!…ッそりゃ、ちょっと驚いたけど、それは悪い意味じゃないよ、百目鬼さんが………」
百目鬼「俺が?」
マキ「あんなに甘やかしてくれてるのに十分の一だなんて言うから…、恥ずかしくなっただけだもん……」
俺が、甘やかした??
いつもと変わらないだろ…、押し倒した自覚はあるが、それ以外何も変わってないが…?
マキは何を言ってんだ?
もしかしてオムライスにハート描いたからか?そんなことが甘やかしなのか?あれはただこっちが恥ずかしい思いをしただけだと思うが。〝ウケる〟とかって笑ってたくせに…
百目鬼「お前は、相変わらず自分に起こる事を低く見積もりすぎだ、あんなのが甘やかしなのか?まったく、何が俺の全部欲しい、溺れたいだ。このままじゃ、俺の全部やる前に、お前は溺死しちまうぞ…。もう一度よく考えろ、俺の全部はお前が思ってるより遥かに重い……」
マキ「重いなんて言わないでよ…、僕が思ってたのより遥かに甘かったって言ってるの」
百目鬼「甘い?…やっぱ、お前はおかしいやつだな」
マキ「…」
百目鬼「まぁ、いい、とにかくコンビニ行ってくるから。鍵かけて行くから絶対外に出たりするなよ」
マキ「…うん」
百目鬼「なんだその間は…」
マキ「……早く、帰ってきてね…」
この馬鹿は!!
そんなに襲われて監禁されたいのかッ!!
百目鬼「そこで待ってろ、直ぐ帰ってきて可愛がってやる」
マキ「ッ!!」
不意に思い出したむつの台詞。
獲物をロックオンするように、ギッと見てから言うと、マキはクッションを抱きながらまた赤面して驚いてた。
俺はマキが書いたメモを持って、直ぐにコンビニに向かった。
もちろん、玄関にはしっかり鍵を掛け、戸締りもしてから……
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
百目鬼がいなくなり、シーンとした部屋で、マキはクッションを抱きしめながら赤面した顔をポフッとクッションに埋めた。
マキ「………………」
数十秒固まって、そして大声で叫んだ。
マキ「無自覚ッ!!」
クッションをギュウギュウ抱きしめながら、ソファーを叩いて身悶えながら、真っ赤な顔をクッションに隠してさらに羞恥で爆発した。
マキ「何がいつも通りだなの!!全然違うよ!!こっちは死ぬかと思ったのに!!無自覚は酷い!!なんなの!!鈍感で不器用なくせに!!なんであんな核爆弾級の殺文句連発するのッ!!」
ジタバタとソファーの上で悶えて暴れ、はぁはぁ息を切らしてクッションを抱きしめ直す。
さっきまでの百目鬼の行動や言葉の一つ一つを思い出したながら、クッションを抱きながら脱力して天井を見上げた。
マキ「……初めてなのに…」
そっと指で唇をなぞりながら、その唇が熱に焦がされた瞬間瞬間を思い出す。
マキ「百目鬼さんから………
求めてくれたの……………」
SEXも、キスも、何もかも。ほぼマキがするか、仕掛けたのに百目鬼の理性がキレて襲うかのどっちかだった。
それに、台所で腰が砕ける程のキスも…
SEXに繋がらない、〝ただのキス〟なんてしたことなかった……
百目鬼に許されて寄りを戻すなら、穏やかに付き合うために、そういう行為は減ると思っていたマキは、この二日間本当に驚くばかりで溶けてしまいそうだった。
なのに、それが百目鬼の本気の十分の一にも満たないなんて……
この先自分はどうなってしまうんだろうと惚けていた。
どんなSEXも受け止めるし、乱暴な言葉も、冷たい素振りも我慢できる。
それは胸を張って言えるが……
マキにとってこの二日間の百目鬼の態度と仕草と言葉は、どれも蜂蜜のように甘くて……
このまま蜂蜜に溺れるのかと思うと、慣れないことばかりで自分がどうなってしまうのか想像もつかないのだった。
マキ「死んじゃう……」
甘いため息を漏らしながら、唇をなぞって、この後戻ってきた百目鬼にどんな風に溺れさせられるのかと思うと今から胸がキュウゥッと締め付けられて息もできない……
マキ「百目鬼さん…早く帰ってきて…」
ーピンポーン♪
不意に鳴った玄関の呼び鈴。
そして、インターホンを覗きに行けないマキが玄関の方を覗くと、その玄関から、鍵をガチャンと開ける音が響いた。
ーガチャガチャン。
マキ「…誰?」
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