アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ー芽生え歌うー6
-
項垂れる神さんを見るのは久しぶりで、神さんはもうそうしなくて済んでるんだと思っていたから衝撃だった。
何を後悔してるんだろう?
と思うより、僕は怖くなって、自分が何かやらかしたんだろうと思って一歩後ずさる。
『自覚して下さい。百目鬼さんと出会う前の貴方に笑われますよ』
不意に、泉の言葉を思い出した。
神さんは、昔の僕は好きじゃないから、どうしたら好かれるだろうと、神さんの好みの僕になろうと必死だったから、昔の自分だったらこんな時どうするだろうと考えてみたけど、昔の自分だったらどうするか咄嗟には思い出せない。
神さんはヘラヘラする僕は嫌いで、心に素直になれって散々言うから、僕はフィルターを失ってた。
深呼吸して、昔の僕になろうと目を瞑り、第三者の目で、この状態を冷静に見つめなおせと呟きながら、後ずさりたい気持ちを踏みと止め、目を開けてもう一度洗面台の前で項垂れる神さんを観察した。
神さんは俯きながらジッと何かに耐えている様子で、洗面台を強く握りしめてる。
よく見ると、神さんの口元が動いてて、俯きながら何かを呟いてる。
僕は、ミケを抱く手に力が入らないように気を付け、頭を優しく撫でながら、ドアに近づきその声に耳を傾けた。
百目鬼「……………るように…、ミケに話しかけるように…」
え?
ミケ?
百目鬼「…クソッ」
ブツブツ言ってるかと思ったら、神さんは大きくため息ついて、鏡の中の自分を覗き込んだ。
眉間にいっぱいシワを寄せ、睨むような困ってるような苦悩してる表情の自分を睨み。そのシワを指先で伸ばしてみてる。
百目鬼「今更消えねぇし…」
…眉間のシワを、気にしてるのかな?
アレ、可愛いのに。
洗面台の自分の顔に不満な様子の神さんは、シワを伸ばすのを諦めて、さらに洗面台の鏡に顔を寄せた。何やら鏡の中の自分と睨めっこを始め、あーでもないこーでもないとブツブツ言ってる。
口角を引きつらせ、目は睨んだまま、角度を変えてみては唸ってる。
それは、僕以外の人間が見たら、メンチの切り方を研究してるようにしか見えない光景。
しかし、僕は気がついた。よくよく観察してみると、その眉間のシワは、神さんが困った時に作るシワの形をしてて、僕にとっては、困った可愛らしい顔に見えて。そして目元はそんなんだけど、神さんは口角をヒクヒクさせながら、口元を気にしてる様子だった。
どうやらそれは、笑顔を作ってみてるみたい。
え?
もしかして、笑顔の練習してるの?
神さんは、いつもあんなに可愛い顔で来てるのに…、こないだなんか、すっごい優しい顔してふわっと自然に笑えてたのに…。
イケメンすぎてこっちは心臓壊れて大変だったのに。
目の前で笑顔の練習してる今の神さんの引きつった笑顔の悲惨さったらない。
何あれ…
ウケる…
百目鬼「…クソッ」
笑顔に納得がいかいかないのか、神さんは悔しそうに項垂れ、最初に見たポーズに戻った。
…何あれ…、超可愛い…。
抱きしめてあげたい衝動をグッとこらえ、項垂れる神さんから目が離せない。
神さんは項垂れながら洗面台を強く握りしめ、悔しそうに呟いた。
百目鬼「…だいたい…あいつが悪いんだ…クソッ…」
あらら、その〝あいつ〟って、僕のことだよね?
百目鬼「…毎朝毎朝…、無意識にもほどがある…、いい加減にしねぇと…食っちまうぞ畜生が…」
……、あっ、やっぱ、僕なんかやらかしてたみたい…。しかも毎朝らしい。
僕、いったいのにしてるんだろう?
苦悩する神さんの顔ばっかり見ていたけど、僕はこの時、あることに気がついた。
あらら……
朝だから当たり前なんだけど、神さんの下半身がもっこりと膨らんでらっしゃいます。
…もしかして…、葛藤中?
…もしかして、僕が無意識にしてるの何かに欲情して、〝食べちゃいたい〟のを我慢してるの?
え?何それ…
我慢なんてしなくていいのに、食べちゃってくれればいいのに…
何々?
神さんってば何可愛いことしてくれちゃってるの?
あまりの神さんの可愛さに悶えて思わずミケを抱く手にギュッと力が入っちゃって、ミケが嫌がって僕の腕の中から逃げちゃった。
ートンッ
ミケの足音で、神さんが驚いてこちらをパッと見たから、僕とバッチリ目が合った。
百目鬼「!?」
マキ「あっ、神さんおはよう♪」
百目鬼「貴様、いつからそこにいた」
マキ「今♪?」
百目鬼「嘘をつけ」
マキ「えへへ♪少し前♪?」
僕がヘラヘラ答えるからか、見られたからか、神さんは僕をギロッと睨みつけ、肩を震わせながらご立腹。
だけど僕には恥ずかしがってる可愛いティーカッププードルにしか見えない。
マキ「神さん♪、朝の挨拶がまだだよ」
僕は、羞恥の怒りに震える神さんにお構いなしに首にまとわりついて、可愛らしく首をかしげておねだりポーズ。
神さんは僕が何をおねだりしてるのか分かって、僕を引き剥がそうとした。
百目鬼「馬鹿か!朝から何盛ってんだ!」
マキ「えー、おはようのチューくらいで何言ってんのぉ?それにぃー、盛ってるのは神さんの方じゃん」
百目鬼「なっ!」
僕が腰をなすりつけると、神さんは慌てて腰を引く。
マキ「まだ時間あるし、ね?」
可愛らしくおねだりポーズで首をかしげると、神さんが顔を赤くして怒った。
百目鬼「なーにが時間あるしだ!朝からなんて卑猥な!」
怒ってるけど全然怖くない。
マキ「チューのどこが卑猥なの?」
百目鬼「テメェーはそれだけじゃ済まないだろうが!」
マキ「えへへ♪、チューして、ちょこっと神さんのヌいてあげようかなってだけじゃん♪」
百目鬼「その〝だけ〟が余分だ!」
マキ「意地悪しないでよぉー、最近僕に何にもさせてくれないじゃん、僕だってこの子を可愛がりたいのぉ。可愛いこの子をヨシヨシさせて」
百目鬼「バッ!…」
慌てふためく神さんのズボンを素早くスルッと脱がせて、熱く大きくなりかけの息子ちゃんを取り出して、パクッと咥え込んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
957 / 1004