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関西弁ってにしおりをはさみました!
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関西弁って
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「はいはーい、ストップストップ」
諦めて目を瞑ったその時だった。
軽快な声と共に俺の手をつかんでいた奴が吹っ飛んだのは。
「あ、俺ン足長いから当たってもーたわ」
「けーちゃ……?」
一瞬けーちゃんかな? なんて思ったけどそもそも話し方も声が違う。
変に期待してしまったよ。
「すまんなぁ、あんたの王子様じゃなくて。 まぁ、助けたるから大人しいしとき」
そう言って俺を守るように前に立った奴は、ゲーム開始前にスクリーンに映されていたその人だった。
五十嵐 奏斗……。
何故助けてくれてるんだとか。
色々困惑するけど、何よりこのクールな見た目で関西弁
そして、割とノリが軽いギャップに驚く。
ってか、この方こんな所で俺なんか助けていんだろうか。
逃げないとやばいんじゃ……?
気を使って見るものの、既に彼は男子生徒を睨み付けて逃げる気はなさそうだ。
「なぁ、あんたらさこの子に何しようとしてたんや? ほら、言うてみぃ。」
いい笑顔でそう尋ねる五十嵐君。
目が笑ってない。
「俺らは、彼奴らに頼まれて……!」
最初に仲間が蹴られて吹き飛んだ事もあり相手は怯えて畏縮してしまっている。
そんな彼らが親衛隊を指差すと、親衛隊も目を見開いて怯えだした。
なんで、驚いてんだよ。
お前らも関係者なんだよったく。
「へぇー。 親衛隊……かぁ。」
五十嵐君がターゲットを変えて親衛隊に向かって歩いていくと、俺を襲おうとしていた男子生徒は今の隙にと逃げ出してしまった。
まぁ、五十嵐君は気にしてない見たいだけど。
「ぼ、僕達は、悪くないよ! 彼奴が、宮芝様に近づくから悪いんだ!!」
宮芝様に睨まれた彼等は、怯えながらそう答えるが五十嵐君の笑顔は止まらない。
かなりお怒りの様だ。
「んー、別に害なしてる訳じゃないんやし。 友達ですら無いあんたらがとやかく言う権利無いんちゃうか? せやろ?」
関西弁で威圧感を放ちそう言ってくる五十嵐君の怖さに親衛隊の子達は今にも泣き崩れそう。
何か、かわいそうになってきた。
「よぉ理解したらちゃんとそこの子に謝るんやで? わかったな?」
親衛隊がかわいそうだなんて思っていると話が終わったようで五十嵐君は満足そうな顔をしている。
逆に親衛隊はげっそりだ。
お疲れ様……。
親衛隊の子達が俺に謝ってどっかに行った時
遠くの方から誰かを読んでる声が聞こえた。
「いぃぃがぁぁあらぁしぃぃぃ!!」
その声を聞いた五十嵐君は、顔を引きつらせた後。
破けた俺の服の代わりに自分のジャージを被せると
「さっきの奴らは風紀に伝えとくから、んでもってそのジャージきとき。
あ! 後、関西弁の事は気にせんで!」
そう言って走って行ってしまった。
「はや……」
気づいたら五十嵐君の姿は見えなくなっていて
そして、そのすぐ後を生徒会長らしき方が猛スピードで追っていった。
なんか……元気だなぁ……。
俺は、五十嵐君から借りたぶかぶかのジャージをちゃんと着直すとこれからどうしようかと悩むのだった。
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