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架空線12にしおりをはさみました!
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架空線12
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目だけで追う彼の姿が俺の部屋にふっと消え、まさかと急いで俺も駆けた。が、遅かった。
コレだコレ! まだ持っていたんだな。
ッ触るなって!
ベッド下の隠し箱を暴かれ、黒のディルドを蔑むように見ている。まるで汚い物を持つかのように指先でこちらに向けた。
心外だ。本当に足りない時にだけ遣う物だったのに、まるで毎日共にしているかのように思われているのではないだろうか。
返せよ。
…役立たずの代わりに、コレを挿れてたんだ?だからさっきも…欲しくて自分から腰突きだしたのか?
取り返したディルドが妙に重い。
なんて格好悪いのだろうか。溜まった精を吐き出す為の道具は、若い頃に二人して酔って買い求めた物だ。あの頃を思い出し時に甘く時に激しく使用し、昂れば昂った分だけその反動も大きく隠すように片付け、しばらくして忘れたようにそれをまた繰り返した。
そうだよ。お前と違って俺は言い出せなくなってたんだよ。勉強してるお前に、ケツ掘ってくれ!なんて頼めないだろ?
そ れはお前だって!煙草咥えて、チューもさせてくんなかっただろ。
……チュウ…てお前…
真剣にしていた筈の会話があまりに滑稽で、俺は吹いた。右手に持つ黒と彼の放った単語とが極端過ぎる。そう思うと彼の姿にまで我慢が出来なくなって、笑いで身体が震える。涙さえ出て来る始末だ。
彼の顔が面白いほど 赤くなっていく。今更ながらに自身の格好にも気がついた様子だ。
それを見てますます我慢できなくなって、俺は声を上げて腹を抱えて笑った。
何年になったのか。ヤりたいと言い出せずに誤魔化して。何に対して格好付けていたんだろうか。
なぁ、見ろよ。
なんだよもう、腹痛ぇって!
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