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勝ってやるっ!にしおりをはさみました!
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勝ってやるっ!
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ドタッ、ゴンッ、ガツンッ…。
全くなんだ?人が折角帰って来たといのに。面倒くさそうに何やら呟いているこの男は咲。主人公にはまだ物足りないがこの際どうでもいい。
部屋では何やら物音がする。
それも朝の4時半。朝帰りをしてみればろくなことが無い。
泥棒なら痛い目に合わせてやる。そう意気込みながらドアを開けてみると…そこには…。
「よぉ〜、おはよう」
「いい度胸してんな、俺の睡眠時間を減らす要件なんだ?」
苦笑いしながらも挨拶したのは明希。認めたくないが一応、幼馴染でありライバルであり親友だ。またそこにプラスアルファー恋人にもなり得るこの男。最大の悩みの種だ。普通ならそれぞれの人を置くのだろうが、明希はそれを全部持って行ってしまったのだ。
厄介この上ない…
「えーと、この荷物を預かって欲しいんだ。俺、用があって海外に行くことになった」
それで俺に荷物預けるって意味がわからん。
どうせすぐに帰って来るだろうし。
「それで?」言葉を促す。
「一ヶ月の間でいいんだ。もし長引くようだったら捨てても構わないから」
冗談か?何時もと違うのは気のせいか?そんな切羽詰まった状態にでもなったのか?
考えるだけ無駄気さえする。
「大事な物なのか?どっちだ?」
「そうだな、俺は大事にしてきたが咲にとっては違う」
感じ方が違うから反対は出来ないが捨てはしない。絶対。
「今さらこれぐらいで迷惑だなんて思わないだから安心しろ」
少しだけ笑顔になる。
「悪いな。もう一つ、仮眠していってもいいか?」
何時もの調子の抜けた明希に戻った。
考え過ぎかもしれないな。
軽く考えた事を後悔するのはそう遠くない。
「しょうがない、上がっていけ」
早くもベットへ向かう咲の後ろを明希が抱きついてくる。いつもの様にあしらうが今日はしつこく腕には力が入っており中々抜け出せずにいた。
「おい!しつこいなっ!」
腕をつねってみるが反応がない。
その瞬間、首筋に熱が走り抜ける。痛みが後から追いかける。
「くぅ…つぅ… やめろ…」
熱く湿った唇が離すと咲の唇へと向かった。
いつの間にか壁に押し当てられる。
一体何が起きているんだ⁉︎
「うっ…ん……うっん」
体は意外と純情らしい、声が漏れてしまう。
ハァッ ハァッ ハァッ
お互いに紅い顔しながら見つめるがすぐに俯いてしまった。
「満足か?仮眠をとるんだったソファー使え。俺の部屋には入るな」
そう言い残すと自分の部屋行ってしまった。
明希は近くに置いてある毛布に包まりとても浅い眠りについた。
翌日
朝になりテーブルの上には一枚の置き手紙ある。開いてみるとこんな事が書かれていた。
夏の始まりぐらいには帰って来ます。
帰ったらすぐに咲の家に行くのでよろしく。
行って来ます。
その日から静かな日常が始まるはずだった…
ガタッガタッ
明希の置いてダンボールが動き始めた。
おいおいこんどはなんだよ。
これまた面倒くさそうに開けるとそこには一匹の猫が飛び出して来た。
うわっと驚きながら猫を捕まえる。
その表紙に置き手紙が落ち二つになったのだ。二枚重なってたらしく続きを読む。
P.S
咲が淋しくないように置いていきます。
世話役お任せします。
嘘だろ。そんな一言も聞いてねーよ。
無駄に長い溜め息をつく。猫は抱かれながらジタバタしている。今日は休日だ。なので珈琲を入れしばらく悩んでいた。
すると猫はお腹が空いたのか顔や首などを舐めている。
家はキャットフードは置いていない。とりあえずミルクでも与えてみるとすぐに飲み干した。それから咲の膝の上を寝場所したのである。何故か寝場所にされるのが嬉しく思えた。一応必要な物を買いしばらく面倒をみることした。ミユとなんとなく呼んでみると反応したのでそれを名ずけた。
明希が海外に行って一週間が経った。
夜の七時を回った頃、咲は丁度夕飯の支度をしていた。その電話は鳴った。
「はい、もしもし?」
「咲?久振りだな」
「そんな挨拶はいい。どうして猫の事言わなかった?」
棘のある声で問いただした。
明希は忘れたと言わんばかりに至って普通に応える。
「ちょっとしたサプライズだ」
「はぁ?こっちは迷惑してる」
「そうか?咲は寂しがりやだから丁度良いんじゃないか?」
何も言い返すことが出来なかった。
確かにサプライズと言えば響きはいいが、押し付けられた気もする。でもこういうのは好きな方だと思う。誰も頼んじゃいないのにそういう事をされて嬉しくないなんて言える訳がない。
しばらく雑談をして電話を切った…
ミユの夕飯も準備をしたのだが中々現れる気配がない。
心配になり探しに行くが見つからない。服にはあっちこっち埃が付いている。こんな事は初めてだ。いや知ろうとしなかった。たかが猫で…全部明希のせいだ。なんだよ、俺を一人にするなよ…。
ツーと涙が落ちた無意識に流したその涙を見た時は驚いた。
探すの諦めさっさと食事を済ませるとベットに潜り混んだ。深い眠りにつくには大分時間がかかった。その間、ずっと声を殺し必死に涙を止めようと焦っていた。息遣いがとても荒い。
ハァーハァー、ハァーハァー、ハァー
深呼吸を何度もした。
それでも止まらない……
今度は逆に枕を噛み息を少しづつ吐きながら止まるのを待った。
知ってか知らずかミユが近づいてくる。咥えている物を咲の顔の前に置いて行く。そして咲の頭の上で丸くなっていた。時々、尻尾が首に当たる。それもくすぐったいが心地よく感じた。咥えて来たのは服だ。ん?俺が見たことが無い服…ああ、明希のか。ほんの少し明希の匂いがするだけで安心した。
その反面、あいつを困らせてやりたくなった。そこでありったけの涙を擦り付けた。
底なし沼のように咲の涙を吸い取ってしまう。深い眠りについたのはその頃だった。
もちろんミユは今夜は一回も鳴くことはなかった。ずっと咲の側に寄り添った…。
翌日、
ミユは一層咲に懐くようになった。偶然かもしれないが落ち込む時は必ず明希の服を咥え、持ってくる。不思議だと思いながらも関心していた。あの電話がかかってきて以来、何かと抜けている事が多くなった。明希のことを考える時間も確実に増えた。
二週間が経った。
明希から電話がかかってくる。さりげなくミユのことを話した。後から思ったが猫だと言うの忘れた。次の機会にでも言おう。あんまり深くは考えなかった。
もうそろそろ梅雨が明ける時期になった。ムシムシ、ジメジメとした嫌な時期が終わるのは清々しい。傘いつも持っていなければならないのは面倒で仕方なかった。
今日は休日、ミユと遊んだりゴロゴロしながら過ごした。咲の家のチャイムが鳴った。インターホンで確認すると、明希だった。
鍵を開けると明希は泣きそうな顔をしていた。
「お帰り。久振りだな、上がっていけ」
中に入るように促す。
「なぁ、ミユって誰?何であんな嬉しそうに話す?」
「何言ってんだ?」
二人はリビングに入る。明希は荷物を置くと咲をソファーに押し倒し、咲の上に跨る…
『……うっん』
お互いにむせ返りながらキスを辞めない。
「なぁ、俺より大事なのか?」
縋り付くような目。身につけている物を脱がされる…。
「だからぁ… 」
そう口を開けよとするが阻まれる。
首…胸…腹……いろんな所に噛み跡がついていく。
「一回だけ抱かれてくれないか?諦めはついてる…お願いだ…」
主導権を握りながら必死だ。
「あっ………あっん…はぁ…っん」
胸の尖りにも手を掛けられる。こんな状況じゃ話にならない。出来る訳がない。
それでも咲は抵抗する。こう見えて咲は人一倍敏感な所がある。その場所を何度も刺激する明希…。抵抗するその顔は明希を余計に煽らせた。
「やっ……めっろ…っん」
「好きだよ。咲…」
再び息遣いが重なり合う。
わからない、熱すぎて…痺れていく。ただ離れたくない、拒否権など要らない。
「あっ……き…明希」
何度も名前を呼んだ。
それでも好きとは一回も言わない。何かを越えてしまいそうで怖くてたまらない。
明希はずっと‘好き’をひたすら繰り返す。
咲の躰はその言葉に反応して応え紅くなった。全身が林檎のようだ…
「咲の彼女は絶対可愛いよな。あんだけ嬉しそうに話してくれたもんな」
別れの言葉を吐いていく明希。そんな明希を眺める。
俺の話も聞かずに自己完結しやがって。それ以前に興味が無い。何故か?‥…思い出したくない。次回だ!次回。
咲は思いっきり深呼吸すると、
「 馬 鹿 」
と罵った。勿論、驚いた明希はキョトンとしている。やっとチャンスが巡ってきた。
「ミユは猫の名前だ、勘違いするな。あの時のトラウマはまだ治っていない。ついでだから言っておく俺を一人にするな!」
今度は明希が涙を流す番になった。小刻みに全身が震えている。
「こんな俺で良いのかよ…」
普段の明希からは想像もしない、小さな声で呟いた。
「あたりまえだ」
その言葉で自信がついたのか咲の中に熱いモノが一気に入る。
「あっ〜〜〜」
激痛が走った。時すでに遅し咲の躰は明希を受け付けたのである。更に調子づいた明希は咲の中を刻み込んだ。
二人は疲れ果てシングルのベットを共有し眠りについた。
昼過ぎを回った頃、目覚め始めた咲は夕べのことを思い返す。何故だろうなぁ?ベットから起き上がれないでいる。ふっと明希の顔を眺めると腹が立つ。普通あそこまでやるか?
そんな事を考えているうちに拳が勝手に動き明希を叩き起こしていた。
「痛いって、咲」
「俺はその百倍は痛いんだっ」
しばらくして昨夜のことだと気づくが数秒遅れた。
「すまん」謝罪の言葉も虚しく咲はベットの中で明希をいびり倒す。ベットから追い出すと同時に奴隷のようにこき使われる羽目になった。
二人の恋はここから始まりを迎えた。恋にトラブルはつきもの、そう悟った明希でした。
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