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*05にしおりをはさみました!
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*05
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それから梨華とは目も合わせなくなった。
目があってしまった時は俺からそらした。
その度に梨華は苦しそうな、
泣きそうな顔をしていた。
それから1週間、煉とも口を聞かなかった。
俺等がこんなに長い間
一緒に居なかったのは初めてで
周りのほうがギクシャクしていた。
目があってもそらされてしまい、
梨華はこんな気持ちなんだろうか…
とも思った。
耐えられなくなって、
話しかけたのは俺からだった
「煉。」
「なに。」
俺には目も向けず
口だけで冷たく答えた。
「ごめんな…」
「なにが?」
「……梨華が…
俺のせいで辛い思いさせて…」
煉は
はぁ、と深いため息をついた
「健は、何もわかってないよ。
俺はそんなことに怒ってるんじゃない。」
「…え?」
「咲夜に言ったことに対してだよ。
だから、謝るべきなのは俺にじゃない。」
俺は安心して
思わずその場にへたり込み、
笑みをこぼした。
「よかった…」
「……え?…」
「俺、マジで嫌われたのかと思った。
咲夜にはちゃんと謝ったよ。」
「そう…だったの……
じゃあ、俺が怒る理由ないじゃん
避けたりしてごめんね?」
「俺も、ごめん。
梨華のことも、咲夜のことも」
そして、俺らは再び
親友という関係に戻った。
梨華は俺らには何も言わずに
高校に上がるとともに居なくなった。
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