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〜第1章〜「恋味のガム」
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ここは半獣人、獣人、人間、死神、悪魔が住むいわゆる魔界にある街だ。
俺は街にある小さなボロアパートに住んでいる
「はぁ…今日も一日が始まる…」
俺は半獣人と死神のハーフだ。舌は矢のような形をした細い蛇のような舌だ。白い蛇の尾も生えている。そして、いつも部屋の片隅には大きな鎌が置いてある。
俺は大きな鎌を持って外へ出かけた。外は雨が降っているが、傘も持ってない俺には関係ない。
雨に打たれながら俺は歩いた。
雨の音が心地いい…
「ハァ…ハァ…」
そろそろしんどくなってきた。
何故雨の中歩いてるかというと、今さっき恋人から別れを告げられたからだ。俺はゲイだ…それに加え、『愛せない呪い』がある。恋人は「女を好きになった。それに、愛されないならもういい」と言われた。
(しんどい…しんどい…いっそこのまま死んでしまいたい…愛せないし、貧乏のままなら死んだ方がマシだ…)
俺は道に倒れた。
「んっ…」
俺は何故かベットの上で目覚めた。
見慣れない黒のかかった茶色い天井が広がる。
横を見ると本棚があった。本棚には沢山の本が入っている。
その横に机があり、机の上にはガムのケースが1つ置いてあった。その他は何も無かった。
「ここ…どこやねん…」
すると、黒い扉が開いた。
「目が覚めましたか。」
扉の所には茶髪のロングヘアーの男性がいた。
茶髪の男性は徐々には近づいてくる。
俺はベットの隣にあった鎌を持って男性の方へ向けた。
「だ…誰や…」
男性はクスッっと笑い優しく話しかけてきた。
「申し遅れました。私、この館の当主「エド・ヘルーナ」と申します。貴方が道端に倒れていたものなので、ここに連れてきました。勝手ながらすみません。」
俺は茶髪の男性の話を聞くと鎌を隣に置いた。
「あ…ありがとうございます…ヘ…ヘルーナさん…」
「エドで大丈夫ですよ。」
「じゃあ…エドさん…」
悪い人ではなさそうだ…
「では、ゆっくり休んでいて下さいね。」
俺は咄嗟にエドさんの服を掴んだ。
「お…俺…「ミクロ・ラーディア」って言いマス…「ミクロ」って…呼んで…クダサイ…」
「ミクロさん、これからよろしくお願いしますね。」
「こ…ちらこそ…よろ…しく…お願いします…」
「では、夕食の時間になると呼びますので、それまで休んどいて下さいね。」
エドさんは優しくそう言って部屋から出ていった。
パタンと扉が閉まる音がしたと同時におれは脱力した。
「はぁ…死ねると思ったのにな…てか、どうしよ…あの人イケメンすぎる///」
俺はいつの間にか顔が赤くなっていた。
「どうしよ…ずっとここにおっても迷惑やしな…でも、ここから出ても行くとこないし…」
そう、俺は死ぬつもりでいた為ボロアパートを引き払ってしまったんや
ここにおりたい…
てか、あの茶髪の人って人間なんやろか…瞳は綺麗なグレーやったや…瞳がグレーの人間なんか見たことない…
(そういえば…)
「えっと…「ヴァンパイア」だったっけな…魔界にいるレアな種族…でも、瞳は紅いはずやもんな…」
俺が「うーん」と唸っていると、黒い扉が開いた。
「ミクロさん、夕食の時間ですよ。」
もうそんな時間なのか…
「夕食は食堂で食べるので一緒に行きましょう。」
エドさんはにっこりと笑ってそう言った。
「はい。」
俺はベットから出た。
そして、ゆっくりと部屋から出た。
この館は全体的に黒っぽい茶色で、床は基本的に赤だった。どれだけいい館か俺でも分かった。
「ミクロさん。」
「はっ、はいっ!」
俺はエドさんの声に少しびっくりしてしまった。優しい声なのに。
「1度着替えてから行きますか?」
エドさんは俺がボロボロのローブを着ているのを気にしてくれたのだ。
「で…でも…俺、着替えなんてもってないですよ…しかも半獣人ですし…半獣人と言っても蛇ですけど…」
エドさんはまたクスッと笑って優しい声で言ってくれた。
「私のを着ればいいじゃないですか。尻尾はきついかもしれませんが、緩めのズボンならありますよ。」
「いいんですか?」
「はい!」
俺は嬉しくなって笑ってしまった。
エドさんは俺の手を掴んで俺が目覚めた部屋まで連れていってくれた。
部屋に入るとエドさんは服を持ってきてくれた。
「これで大丈夫でしょうか?まず、サイズが合うかどうか…」
「多分、サイズ大きいかもしれませんが大丈夫ですよ。」
いつの間にか、俺は普通に話せるようになっていた。
それに気づいたエドさんは、満面の笑顔で
「はい!」
と言った。
俺はエドさんの目の前で着替えた。
エドさんは真顔で俺の体を見てくる。
「な…なんですか?」
「ちょっと…いや、とても体が細いなと思いまして。ちゃんとご飯食べれてますか?」
そういえば、ここ1ヶ月は草食べてるかゴミ漁って食べてるかやったな…
「いえ…」
そう言うとエドさんは
「なら、今日はお腹いっぱいになるまで食べてくださいね!」
と言ってくれた。俺はそんなこと言われたのは初めてで泣きそうになったが、堪えてそのまま着替えた。
着替え終わると、俺は
「ありがとうございます…」
と泣きそうになりながら言った。
エドさんは優しく頭を撫でてくれた。
「もうそろそろ行きましょうか。」
「はい!」
(この服、少し大きいけど、着心地めっちゃいいな…)
俺たちはそのまま食堂へ向かった。
2020年3月10日
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