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出会い~本音は~にしおりをはさみました!
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出会い~本音は~
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初めて君に会ったのは、俺の会社だった。
「ねぇねぇ、あの人かっこよくない?」
「あぁ、あの人今うちと取引してる大手企業のとこの新人くんだよ」
「うわ~、まさに高嶺の花か~」
廊下のすみっこの方で君のうわさをしている女子社員とすれ違う。
でも、この時の俺はなんにも知らなくて「へぇ、そんなやつもいるんだなぁ」なんて思っていた。
「あの、先輩。」
俺はある男の先輩に声をかける。
「ん?どうした?」
優し気に問いてきてくれるのは、俺がまだ入社して間もない新人社員だからだ。
「この書類先輩にって頼まれたんですけど」
俺は、途中で同僚から半ば押し付けられた書類を渡す。
「あぁ、またあいつか。いつも自分で渡せと言ってるんだがなぁ、すまなかった。ありがとう、美知留くん(みちる)」
あきれたようにため息をつく先輩から呼ばれた名前。
それは、俺の名前だ。
女みたいであまり気に食わない、桜木 美知留(さくらぎ みちる)。
名前だけ見ると女にしか見えない。
それが、俺の昔から嫌いなところ。
「じゃあ、俺も自分の部署に戻って仕事しますね」
「あぁ、君もがんばれよ」
そうやって、先輩のいる部署を離れた。
その時__
「あの!桜木さん、ですよね?」
ビクッ
「あ、はい!」
突然苗字を呼ばれ反射的に振り向き返事をする。
そんな仕草が面白かったのか
「っふははwすみませんwついw」
俺は全く面白くなく、あからさまにムスッとした顔になってしまう。
「っ!...可愛い顔してますねw」
少しからかうように言う君。
「からかってんじゃねーよ。てか、誰?」
初めて見た君の笑顔は、今でもわすれられない。
「あ、僕は坂倉 透(さかくら とおる)って言います!僕のとこの上司が桜木美知留って言う人を連れてこいって言ってたので呼びに来ました!」
元気よく俺にそう言う君、そんな君は俺にはゴールデンレトリバーのようなでっかい犬の様に見えていた。
目立つ金髪に綺麗な黒の目、白い肌に俺より少しだけ高い身長。
人懐っこく揺れるしっぽまでも見えて来そうな勢いだった。
「坂倉さんのとこは、今うちと取引してるとこでしたよね。俺なんかになんの用があるんだ?」
「んー、僕にも分かんないんでとりあず行きましょ?」
スッ
自然と差し出された手が視界をすぎる。
ギュ
反射的にだったか、俺はその手を握った。
もしかしたら、俺はこの時から君に惹かれていたのかもしれない。
俺と君の出会いは、そんな些細な事だった。
君といると、俺は楽しかった。
それで、ある時気づいたんだ。
俺は、君が好きなんだって。
でも、この恋は敵わないって事も初めから気づいていた。
俺と居るときだって、君の視界には、頭の中には、俺の知らないおとこの人がいるの、しってるよ?
それに、付き合って相当たつのに、夜の営みだって一回もしたことないだろ?
なぁ、俺といても苦しいだけだろ?
隣にいるのは俺じゃない誰かがいいんだろ?
君の、本音はいつになったら聞けるのかな。
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