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ウロくんの王様講座1
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「やあやあこんにちは。え? なんで僕がここにいるのかって? いやぁだって、なんか王様の話を聞きたいって人がいるんでしょ? だから、こうしてわざわざお話をしに来てあげたんだよー。ほら、王様一人一人に、貴方が考える王とは、ってインタビューして回るわけにもいかないしさぁ。誰がそのインタビューするんだよって問題もあるし? だから、今回は特別」
そう言ったウロがぱちんと指を鳴らすと、真っ白とも真っ黒ともつかないこの不思議な空間に、ぽんと可愛い音を立てて椅子が現れた。革張りの、見るからに上質そうな椅子だ。よいしょっと言って椅子に深く腰掛けたウロは、長い脚を組んでこちらに顔を向け、おもむろにその顔を覆っている仮面を外した。
晒されたその顔は、こちらが正気を失うのではないかと思うほどに美しく整っている。あまりにも整いすぎていて、一種の恐怖すら感じるほどだ。
「本当はねぇ、僕はもっとミステリアスなままを貫く予定だったから、NG出そうと思ったんだよ。ほら、ここでこうやってお話をしちゃうと、僕がどんな存在か、あの世界がどんな世界なのか、なんとなく判っちゃう人もいそうだから。でもほら、僕優しいからさぁ。頼まれたら断れないんだよねぇ。と言っても、今回は僕がとつとつと王さまについて語るだけの特殊な構成だから、興味がない人は帰って良いよ。特に得るものもないだろうし」
そう言って笑ってから、彼は優雅に脚を組み替えた。
「王という生き物について、ね。うん。確かにリアンジュナイルの王様は少し特殊だもんねぇ。まあでもそれは当然なんだよ。あの次元は重要な柱の世界だからね。万が一があったら困ってしまう。で、まあ、あの大陸の王様っていうのは、柱の世界を常に健やかに保つための大事な部品に相当するんだ。大事な部品なんだから、しっかり役目をこなして貰わないと困る。という訳で、円卓の王様は皆優秀なの」
判るかな、と言ってウロは首を傾げた。
「王になったから優秀なのか。優秀だから王になったのか。勿論これは後者さ。王の名を冠したからといって、途端に優秀になれる訳じゃあない。けど、そんな毎回毎回優秀な人材がいるものなのかなぁ?」
言いながら、ウロがこちらの反応を見るように再び首を傾げた。
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