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episode3にしおりをはさみました!
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episode3
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「眠くなってきたぁ」
お腹が満たされた尚央が、新のベッドに遠慮もなくゴロッと横になる。ウトウトと微睡めば、今にも眠ってしまいそうだ。
「尚央、可愛いな」
「はぁ?」
新が呟いた言葉に、尚央はベッドから飛び起きる。
「お前、突然何言ってんの?」
「うーん、ただ今思った事を、素直に口にしただけだよ」
尚央を見つめる新は、茶化す様子もなく真剣そのものだった。
ギシッとベッドが沈む音と共に、新が尚央の傍にそっと近付いてくる。
「なぁ、尚央。俺ら付き合ってみねぇか?」
「え?」
突然の新からの提案に、尚央の動きが一瞬にしてフリーズしてしまう。
これは夢かも知れない……そう思った尚央は、必死に目を擦った。それがあまりにも可笑しかったようで、新が思わず吹き出している。
「あはははは!尚央、これは夢じゃないよ」
尚央の近くに座り込んだ新は、尚央の前髪を優しく撫でた。
「お願い、尚央。俺の話を聞いて欲しいんだ」
新が不安そうな顔で、尚央の顔を覗き込む。
「深く考えずに、お試しでさ。似た者同士、案外上手くいくかもよ?」
「ちょ、ちょっと新!自分が何を言ってるかわかってる?」
尚央は新が言っていることが信じられなくて、真ん丸な目を更に見開いた。
「だってさ、たまには癒されたい時も、男なんだからやりてぇ時もあるじゃん?」
「……お前……、俺とやりたいの?」
尚央は無意識に、新から少しだけ体を離した。
「んー……わかんない。でも、できそうな気がする。尚央、見た目は凄くいいし……何より可愛いから」
そんな尚央を、新は手慣れた手付きで引き寄せ、そっと耳打ちをする。
(こ、こいつ。すげぇ手慣れてる)
その慣れた手付きに、尚央は強い戸惑いを感じる。何より、今まで恋愛なんて経験してこなかった尚央は、それだけでパニックになってしまった。
「試してみる?」
「お前……頭イカれてんの?」
「どうなんだろう。たまってるだけかもな」
明らかに欲を含んだ新が、更に尚央に体を寄せてくる。
「駄目か?」
そんな新は、まるで、大きな犬が耳を垂らして「クーンクーン」と甘えているように見えた。
不安そうに瞳を揺らす新を見れば、「嫌だ」なんて言えなくなってしまう。
まるで、何かの術にかかったかのように。新から目が離せなくなって、その瞳に吸い込まれそうになった。
尚央は、この瞬間、新から逃れることなどできなくなってしまったのかもしれない。
「おいで……」
新に優しく抱き締められてから、そのままベッドに再び押し倒された。
尚央の心臓はうるさい程に鳴り響き、口から飛び出そうになる。
しかし、何より尚央を戸惑わせたのが、今の状況を自分が受け入れてしまっているということだった。新のゴツゴツとした指に触れられることが、全然嫌ではなくて……むしろ気持ちいい。
この狂っているとしか思えない事態に、期待すらしてしまっている尚央がいた。
「なぁ、新……」
「ん?」
「俺が女の子役なんだね?」
「あ、それはごめん」
尚央は新に必死にしがみついて、そっと目を閉じる。
男同士のやり方なんかわからないから、後は新に身を委ねるしかない。
「尚央、裸になって?」
「…………」
「お願い」
尚央は、新に促されるようにシュルルとネクタイを緩めて、制服を脱いだ。
「恥ずかしい……」
「大丈夫、俺も脱ぐし。それに、尚央の裸、めちゃくちゃ興奮する」
制服を脱ぎ捨てお互い全裸で抱き合えば、意外と滑らかな肌でびっくりする。触れ合う胸同士から、尚央にまで伝わる新の拍動……バクバクと凄い音がした。
「……新……?」
「悪ぃ…偉そうなこと言っといてなんだけど、俺もすげぇ緊張してる」
はにかんだ新を見て、尚央は愛しさが込み上げてきて……ギュッと新を抱き締めた。
「あぅ、あ、あぁ……!いやぁ!」
尚央自身に、新の手がスッと伸びれば、無意識にビクンと体が跳ねる。そのままユルユルと刺激されれば、どんどん余裕もなくなり、トロトロッと先端から温かい液体が溢れ出てくるを感じる。
その液体を新がペロッと舌で舐め上げ、そのまま口に含まれた。
「…………ッ!?」
温かい新の舌と口内に包まれ、尚央は声にならない悲鳴を上げる。口で愛撫されればクチュクチュという卑猥な水音に羞恥心を搔き立てられた。
「あ、あ、ん……やぁ……んんッ」
喘ぎ声はもう自分で制御することができず、次から次へと口から漏れては、静かな空間に消えて行く。
(新は、こんな自分に欲情するのだろうか)
不安が頭を過ぎる。
(気持ち悪いって思われたらどうしよう)
尚央は怖くて仕方がなかった。
「尚央、超エロい。マジで可愛い」
尚央は、自分を見つめる新の瞳の中に獣を見つけた。明らかに欲情し興奮した新……良かったと安堵してしまう。
「新……やっぱり、俺、怖い……」
夢中で新にしがみつけば、
「尚央、尚央……大丈夫だ。傍にいるよ。だから怖くない……」
尚央の気持ちを見透かしたように、新が優しく耳元で囁く。尚央の目から自然と涙が溢れ落ちた。
指が1本挿入されるだけで、激しい痛みが走り抜ける。
「くぅッ!あぁ……!」
その痛みに耐えれば指が2本、3本と増やされていく。痛みからか新の指を咥え込む部分が異常に熱くて、引き裂かれる感覚に襲われる。
心配をかけたくない尚央は、枕に顔を埋め、シーツを力任せに掴み、ただただその痛みに耐えた。
しばらく入り口を広げられる感覚に耐えていると、クチュヌチュ……という音が響き始め、その音と共に痛みが軽減されていくのがわかる。新の指が自分の体に馴染んできている、それが実感できた。
「あ、あぁ……あッ……んん……はぁ」
快感を拾い始めた尚央の体は熱く火照り、新の愛撫に素直に反応してしまう。
「尚央、痛い?」
「だい……じょうぶ……続けて……」
発する言葉はもはや甘ったるくて。感じてしまっているのが新にもバレてしまっているだろう。
でももう、感じている姿も、甘ったるい声も、隠すことなんてできない。
新の指がある一点をかすめたとき、体がビクンと跳ね上がる。それと同時に押し寄せる快感。全身が歓喜して小さく震えた。
「やぁん……あァ……!はぁ、あ、あぁ……!」
悲鳴のような声を上げてしまう。
「ここが気持ちいいの?」
新に優しく問われれば、
「気持ち……そこが気持ちいぃ……」
素直な思いが口をついた。
「よかった」
その泣きそうな顔をした新を見れば、尚央の胸は甘く痛んだ。
不思議なことに、このあり得ないシチュエーションを理解し、どんなに苦しくても新を受け入れたいと思ってしまう自分がいる。
そんな自分に、尚央は強い戸惑いを感じた。
「挿れていい?」
「……うん」
恐怖で声が震えてしまう。
「好きだよ。尚央」
「え……?」
そう耳元で囁かれれば、尚央の体を甘い電流が流れて行く。
(好き、ってどういう事……?)
尚央はその意味を知りたかったけど、聞くのがとても怖かった。それに、知ってはいけないような気もした。
知ったら最後、きっとどんどん深みにハマってしまう。そう思えてならなかった。
「大好き」
そう囁きながら、ググッと新の昂りを尚央の中に埋めてくる。そのあまりの熱さに、尚央は泣きたくなった。
「あぅッ!はぁはぁ……あ、あ、あぁ」
結ばれた部分から聞こえる水音が静かな室内に響き渡れば、羞恥心と興奮が高まって……尚央は必死に目を閉じた。
「尚央、大丈夫か?」
「新、手……手繋いで……」
「わかった」
新は尚央の手を握り締め、チュッと手の甲にキスをくれる。
体には新の体重、耳元には新の吐息…そして、しっかり繋がれた手と手。痛みの中に尚央は確かな幸せを見つけた。
「尚央……」
「新……」
新の首に腕を回してそっと引き寄せれば、優しいキスをくれる。そのままキスを繰り返せば、新も動くのを忘れてしまったかのように熱中して……2人は何度も何度もキスをした。
「尚央、尚央。好き……好きだ……」
キスの合間に、うなされた様に繰り返される新の言葉にまで、愛撫されているような感覚を覚える。
新が尚央の中をクチュクチュと擦りあげれば、
「あ、あぁ!あぅ、あ、あぁ!」
尚央の口からは甘ったるい喘ぎ声が漏れ始め、キスが途切れ途切れになってしまう。
「新、新……気持ちいい……」
最後は余裕もなくなり、隠れるように枕に顔を埋めた。
「あ、あ、あァ……はぁ……ん、ん……、んぁ……!」
尚央の体を揺さぶる新に必死に抱きつき、二人で絶頂を目指す。
もう尚央の心も体も、新でいっぱいだった。
「ありがとう、尚央。俺を……受け入れてくれて」
新が優しく囁いてから、尚の唇に優しく自分の唇を重ね合わせる。
「ううん……大丈夫。俺も……凄く、気持ち良かった」
「うん。なら良かった」
最後にもう一度だけキスをした。
尚央は新が愛しくて、大切で……。心も体も満たされて、蕩けてしまいそうだった。
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