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ついてない:1にしおりをはさみました!
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ついてない:1
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高校2年生。どうやら1年の時とは違ってすんなり行きそうもない。そんな高校2年生になったばかりの5月半ば。
「チッ…」
重い…意味わかんない、何これ。
目の前が見えないくらいにつまれた紙の山。両腕でよく支えきれてるな自分すげぇ。自分で自分に心の中で拍手を送っておく。長い長い廊下をたくさんの紙切れを抱えながら黙々と歩いている。どうしてこんな事になったのかは遡る事約10分前……
「おい、優木」
「…なんすか」
「なんすかじゃない、これ運んどけ資料室に」
「は?!何で俺?」
「お前遅刻しすぎだ。その罰として運んどけ」
「は?やだ」
「お前文句言うな!まだ新学期始まって間もないのにどんだけ遅刻してんだお前は。内申評価に思いっきり繋げるからな」
「………」
「じゃ、頼んだぞ」
くそー、なんだよ。ついてない。
「好きで遅刻してんじゃねぇんだぞ……いや、好きでしてるわ」
ぶつくさ文句を言ったところで腕に抱えてる資料の山が減るわけでもなく…。担任に指示された部屋までトボトボのろのろ歩いていく。普段こんな仕事じみた事をしない俺を見て廊下ですれ違う他の教師やクラスメイトは好機と驚きの眼差しを向ける。…そんなに見るくらいなら運ぶの代わってくれよ。
今の授業出なければこんな事にならなかったのにとか録でもない事を考えながら曲がり角に差し掛かった時だった、
「うえ?!」
「あっ…」
ドサッと何かにぶつかる音と目の前の景色が開けるのはほぼ同時だった。
「っつー…」
最悪。
目の前にはバラバラに散らばった資料たち。腕がらプリントの束が零れ落ちる瞬間はスローモーションの様にゆっくりと時間が流れた。俺がここまで来るのにどれだけ苦労した事か。珍しく仕事してるのに何て仕打ちだよ。あぁ、でもそれもこれも遅刻常習犯の自分が蒔いた種であって。なんて一通りの考えを巡らすくらいにはゆーっくり時間が流れてた気がする。
目の前の紙たちを見つめながら落胆とする。拾うのだるすぎ俺運なさすぎ。
というか誰かとぶつかった事をすっかり忘れていた。
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