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二日酔い 4にしおりをはさみました!
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二日酔い 4
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「……。」
何も答えないが、猇は絶対に起きていた
「…ほら、起きてよ。」
波留が猇に近づき、揺すろうとすると
グイッ
猇に腕を引かれ、そのまま唇を奪われる
「んぅっ⁉︎…んんぅ…ちょっと‼︎…」
正直に言うと猇はキスをするのがとても上手い
波留は固く目を瞑り、少しずつ痙攣し始める足腰を必死に支えた
「…んぁ…こ、う…んぅ…いい…かげん…はぁっ…」
息を吸うと同時に、途切れ途切れで猇に伝える
そろそろ足が支えられない…
「……ん。」
猇は波留が限界に近いのを察したのか、俺の口内を犯していた舌をしまい、唇を離す
「…はぁ…はぁっ…」
唇が離れると波留はその場にへたりと座り込んだ
「おいおい、もうばててんのかよ」
目の前にいる猇は得意げな表情で言い、ぐーっと大きく伸びをする
(…誰のせいだと思ってるんだよ。)
若干潤んだ瞳で猇を見ると、猇は波留の頭を撫でながら言った
「…解った。俺が少し意地悪だったな。」
「……。」
「でも、お前から誘ったんだからな…。今度からは冗談でも言わない事。いいか?」
確かに……猇の言う通りでもある
「解った。」
波留は素直に聞き入れ、猇に立ち上がらせてもらう
「……ん。」
両手を彼に差し出し、猇を見ると呆れたように笑いながら波留の脇に手を入れる
「……ほらよ。」
グイッと持ち上げられ、波留が礼を言おうと思ったら…
足が床についていない…
「ちょっと、猇‼」
宙に浮いたままの足をばたつかせ、猇を見ると「まあまあ」と言って歩きだす
彼は器用に部屋の扉を足で開けると、清のいるリビングへと向かう
長い廊下を過ぎると、開きっぱなしだった扉を腕で押し、清に担がれた波留を見せる
「あ、波留、猇起きたって…何やってるの猇」
朝食を作っているのか、楽しそうな清が猇に向かって言う
「悪さをした子猫へのお仕置き」
猇は波留を見て、にんまりと笑い清に教える
「起きない俺を襲った罰」
「波留!?そんな事したの‼」
フライ返しを床に落とし、驚いた表情で俺を見てくる清に俺は叫んだ
「そんな訳ないでしょ‼…猇も変なこと言わない‼」
「俺だってまだされてないのに……。」
(しないし、する気もないから‼)
波留先程よりも手足をじたばたとさせ、なんとか猇に下ろしてもらう
「…あー。はいはい暴れんなよ。」
猇は素直に波留を下ろすと、ぽんとその頭に手を置いた
「…これでチャラ。ほら、ばかキヨ、飯焦げてんぞ」
落ち込んだ清の肩を叩きながらキッチンへと向かい、少し焦げ臭い朝食を新しいフライ返しでひっくり返す
「だめ、俺もう立ち直れない…」
「なに女々しいこと言ってるんだよ。…別になんにもされてねぇよ。」
あちゃー…と苦い顔で、料理を眺める猇を清がちらりと見る
「…本当?」
「ウソ言ってどうすんだよ。…普通に起されただけだ」
猇は清に先程の事を告げず、清の朝食の手伝いをする
その時に波留を見て悪戯そうに笑い、何かを口パクで話すと舌を出した
(猇の阿保…)
波留はべーっと舌を出すと、洗面所に向かって歩く
猇が先程俺に言った言葉は……
『秘密にしておけよ。さっきの事は…』
だった
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