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6日目 ひろむにしおりをはさみました!
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6日目 ひろむ
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「おかえりー。今日はおそかったね。…わぁぁぁあお、その怪我どうしたの?」
「喧嘩」
「やっぱりキミ不良?寺の息子なのに?それともイキリミス?」
「っせーな。おい、その棚から絆創膏とか薬とって」
「幽霊に指図するんだ、すごーい、取り憑いちゃおっかなもう」
「無機物はさわれるんだろ」
「幽霊使いが荒いよ?」
部屋に居候させてもらってる身だから仕方なく棚から絆創膏を取り出して不良くんに渡そうとする。が、
「あれー?あ、そっか、直には渡せないんだー」
生き物に触れられないどころか、生き物にモノを渡すこともできないみたいだ。だから不良くんが座ってる座椅子のよこにポンっと投げると、不良くんは無言で体に貼りはじめた。
「キミ、喧嘩弱いのー?」
「死人はだまってろよ。弱いよ。なんだよ。文句あんのかコラァ」
「…ケンカ教えてあげよっか?」
「お前みたいなヘナチョコオーラでてるやつに何ができるっつーの。くっそー、モヒカンは卑怯だろ」
「も、モヒカン?ぶふっ、モヒカン?モヒカンにケンカ売られたの?やばいそれ」
「だろ?笑うだろ?」
「笑うね、それは笑っちゃうね!ま、人間はみんな卑怯なんだよ、モヒカンなんて卑怯の塊さ」
「…お前って、なんか冷めてるな。」
こっちを見ることなく呟いた目の前のキズだらけの男は、この世にミラクルがあると信じているんだろうか。
「君より長生きしてただけだよ、モヒカンにケンカ売られたことはないけど」
ミラクルがあったなら俺もこんな人間にはなってなかったはずさ。
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