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18歳以上ですか?
2にしおりをはさみました!
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バタン。
玄関のドアが閉まる音がして、部屋の中は静かになった。
幸くんが帰ってからおれはただ呆然と突っ立っていた。
幸くんに渡そうと思ってたプレゼントを手にしながら。
「あーあ…。また渡せなかった…。」
そのプレゼントを部屋の隅にある引き出しの1番下に入れた。そこにはそれとは違う包装紙に包まれたプレゼントが2つ、既に入っていた。
1ヶ月記念と2ヶ月記念のプレゼント。どちらも渡せずに引き出しに眠っている。きっとこれからも眠ったままだろうな、と思いながら引き出しを押す。
おれは臆病だ。
大したものでもないのに。もしかしたら、こういうの重いって思われるかなって思ったら渡せなかった。でも…もしかしたら、もしかしたら幸くんもおれに用意してくれてるかもしれないって、思って、毎月毎月小さいプレゼントを買った。
1度も、幸くんはおれにプレゼントなんてくれたことないけど。
来月は、思い出してくれるかもって、馬鹿な期待を抱いてる。
多分幸くんは付き合い始めた日なんて覚えてないだろうけどね。
ぽろぽろとこぼれる涙には
もう慣れた。
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