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早朝のプロポーズにしおりをはさみました!
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早朝のプロポーズ
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お互いが絶頂に達すと急に眠気が襲ってきた
俺は今日、何時間も外を歩いてたし
新は色々抱え込んで疲れてたんだろう
「・・・ん・・」
「・・・」
先に眠ったのは新で、縛った手と目隠しを外してやると
気持ち良さそうに眠るいつもの新の寝顔が見れた
眠りにつく寸前で、新が俺の名前を呼ぶと
それだけで嬉しくて暖かい気持ちになった
優しく頬を撫で唇に軽くキスをし
俺も眠りについた
その日、俺は珍しく夢を見た
夢の中でも隣には新が居た
こうやって一緒に俺のベッドで寝て
朝、先に起きるのは俺で
寝言を言ってる新に布団を掛け直し
新と一緒に食べる朝食を作る
いいにおいに誘われ腹を空かせた新が
目を擦りながら起きて
料理をする俺に声を掛ける
『おはよう』
その一言で俺と新の1日が始まる
俺が作った朝食を
『美味過ぎて腹立つ』って
悔しそうに言う新を見て俺が笑う
起きる時も寝る時もいつも二人一緒で俺のベッド
そうやって毎日お前と過ごせる
めちゃくちゃ幸せな夢だった
何年後になるかなんて分からない
けどいつか本当にお前と暮らせる日が来るなら
それ以上の幸せなんて俺は求めたりしない
来るならとかじゃなくて
いつかお前と・・・・
「・・・ん」
新の顔がぼやけて来た所で俺は目を開いた
夢から覚めるとベッドが広く感じた
「新？」
眼鏡を掛けて隣を見ると新の姿は無かった
「ん？・・なんだ？このにおい」
何やら焦げくさい匂いがして
俺はすかさずベッドから飛び降りた
そのあとすぐにガシャンッと言う
何かが落ちる音が聞こえ
俺は音のする方へ急いで向かった
「ぅああっ！」
「新！」
焦げくさいにおいが強くなり
音のする場所に辿り着くとそこは台所だった
「め、眼鏡っ！？」
「ゲホっ、ゲホっおまっ！なんだよこれ！」
台所は煙が充満してて
煙の中から涙目の新が顔を出した
「ふぇ・・め、がね・・・」
「ちょ、おいっ」
夢では、俺が先に起きて
俺が朝食を・・・作ってた
「な、何してんの？」
「・・・・」
顔に所々炭のような汚れがある
ほんと、漫画かよと言いたくなる
「め・・・・ってた」
「え？」
ボソっとそう呟いた新は
背中に回してた手を俺の前に出して来た
「目玉焼き・・・作ってた」
「・・・目玉・・・焼き？」
下を向いたまま俺へと差し出して来たのは
皿に盛られ真っ黒に焦げた
目玉焼きという名の炭だった
「腹減ってたのか？」
「ちがっ・・・お、お前の為に・・・」
俺の為？
「俺・・結局お前に何もやれてねぇから・・・
あ、朝ごはんくらい作ってやろうと思って・・・」
「・・・・・」
俺の為に・・・作ってくれたのか？
「りょ、りょりょりょ料理とか出来ねえけどっ
目玉焼きなら作れるとおも、思って・・」
煙のせいか、恥ずかしいのか
照れてんのか分かんねえけど
新はさっきから涙目だった
必死に目玉焼きを作ってた新を想像すると
顔がだんだんにやけて来た
「ふっ・・・」
やばい、嬉しいな。
「な、何笑ってん、ぅわっ！？」
顔を真っ赤にして怒る新を抱き締め
頬についた汚れを拭ってやった
流し台を見るといくつもの卵の殻と
皿いっぱいに盛られた真っ黒い目玉焼き
ほんと、何個使ったんだよ・・・
「俺んちの卵達が世話になったな」
「はっ！？」
俺の為に頑張って作ってくれたと考えると
また嬉しくなって新の頭を撫でた
「ありがとう」
「〜〜ッ」
まさか、朝ごはんを新が作るなんて
「い、言っとくけど、味は保証しねえぞ」
「ふふっ、真っ黒だもんな」
「てめえっ！馬鹿にしてぅんッ！？」
拳を振り上げた新の手を掴んでキスをすると
新は更に顔を真っ赤にして震え出す
「ふっ・・んっ・・・はぁっ、いきなり何すんッ！？」
「好き」
「はへっ？」
唇を離し、さっきよりも強く抱き締めて
耳元でそう呟いた
「・・・お前可愛い過ぎ」
「なっ、にが・・」
嬉しい・・・幸せ過ぎて怖いくらいだ
「いつかさ・・・」
「？？」
胸から溢れるムズ痒くて
暖かい感覚が全身を包み込んでくる
「俺が一人前の大人になったら
お前を迎えに行くから」
「・・・な、何・・言ってんだよ」
誕生日、自分が産まれた日なんて
何とも思わなかったし
逆に産まれた意味すら分からなかった
適当に歳を取って適当に過ごせばいいと思ってた。
俺にとって人生なんてどうでも良かった事だったのに
今ならはっきり分かる
俺はお前と一緒になる為に
ここまで生きて来たんだな
「眼鏡？」
そう考えたらこの先の人生を
どう歩んで行くか考えるのも悪くない
ずっと隣にお前が居てくれるなら
「お前が卒業したら、一緒に暮らそう」
「・・へ・・・」
こんなくさい台詞を
言いたくなる時が来るなんてな
「誰よりも幸せにしてやるから」
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