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18歳以上ですか?
指令は?にしおりをはさみました!
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指令は?
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「直輝さんハチマキ凄いとってましたね!」
「負けるの嫌いだから」
「あははっ意外と子供っぽいんですね」
沢山声を出して応援していたハル君が
ほこほこと頬を赤く染めてそんなことをいう
本当そのとおりだ
大人に見えるけど案外子供っぽい
冷めてるけど案外熱い所もあるし
「祥次もちゃんと応援してろよ」
「なんだよそれ」
「他の男見てたら」
「見ないよ!」
なら良しとでも言いたげに
直輝が頭を撫でてくれる
脱いだジャージを再び着ると
また直輝がグラウンドへと向かう
次は借り物競争らしい
それで、最後はリレーのアンカーらしい
結構種目出るんだなぁ
勉強もそうだけど確かに昔っから運動出来てた
バスケ凄いうまかったし
「ん? 何見てんの?」
「なんか……神様って不公平」
「……どうした急に」
「別に」
きょとんとしている直輝の背中を押してさっさといけって促す
今は聖夜が何処かにいって居ないから
また直輝がサボらないように見守ってなきゃ
俺に押されて分かったよなんていいながらもう始まっている借り物競争の列へ向かっていった
直輝が係の元へ行く背中を見ていてなんかいいなぁって
俺も同じ学校行けば良かったかもなんて
ちょっぴり羨ましいと思う
そんなこと考えていたら
どんどん直輝の順番が近づいてきた
さっきよりも観客も増えていて
良く見ればカメラ構えた人ばっかで
直輝って本当に人気なんだな
中身はただの変態だって教えたら一体どうなるんだろう
驚く? うわってひく?
皆どう思うんだろうなんて
ちょっと意地悪な気持ちが湧くけど
その事実を知ってるのは俺だけでやっぱりいいやなんて小さな独占欲
そうこう考えてる間にいよいよ次は直輝の番だ
7人横一列に並んでいて
直輝は1番奥から2番目
「直輝さーん! 頑張ってー!」
「……頑張って」
ポツリ、大きな声で応援するハル君の横で陽が小さく呟く
それじゃあ絶対に直輝には聞こえないのに満足そうな表情を見ていたら笑ってしまった
「直輝がんばれー!」
くすくす笑いながら俺も
ハル君と陽と一緒に応援する
ワーワーて騒がしいのに
そう、言った途端直輝がこっちを振り返る
え? 今の聞こえたのか?
びっくりしていたら
また直輝が嬉しそうに笑いながら小さく手を振るから驚いてしまう
こんだけ人が多いのに
届いたことに驚きだ
ドキドキしていたら直輝が前を向いて
それから直ぐにスターターのフォームをとった
『さあ! 皆さん注目の直輝君の登場だよ〜!』
アナウンスが楽しそうな声で実況をしていて
それに応えるよう、
ワーッと歓声が上がったと同時パーンとスタートの雷管が空高く鳴り響く
一斉に走り出した皆の中
直輝が涼しい顔して一番を走っていた
「……足はや」
「何か、直輝さんって無敵ですね」
「……むかつくよね」
「え?!」
ぽろりと本音が漏れるとハル君が驚いた顔でこっちを見てくる
だって何してもかっこいいとか目立つとか
皆の目に直輝が止まるって事だし
「祥さんヤキモチ?」
「ハル君まで変なこと言わないの」
「あははっごめんなさい」
本当、陽もハル君も生意気になったもんだ
小さい時は二人して天使みたいに可愛かったのに
今じゃ冗談も言えるくらい成長しちゃって
俺とハル君が笑ってたから
隣にいた陽が間に入ってきた
「俺がヤキモチの前に陽が妬いちゃったみたいだよ?」
「しょ、祥さん」
「ハル」
「わあっ! 陽ちゃんっ」
苦笑いをしたハル君をぎゅっと陽が抱き寄せる
子猫みたいにハル君に擦り寄っていって
ハル君も何だかんだ嬉しそうに頭を撫でていた
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