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2ー2にしおりをはさみました!
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2ー2
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ー下界
「情けを掛けるな…」
滞る下界に響く、低いバリトンの声音。
「一つ残らず狩れ!さぁ、ショータイムの始まりだ」
男の命令に、黒い羽を生やした者達が下界に住む人間の魂を狩りに出掛ける。
不適な笑みを溢しながら、彼は待っていた。人間が危険な状態だと知れば、彼等は必ず動き出す。
ー…長年と続いてきた闘い。
早々に停滞するなど有り得る筈もない。魔族は遊ぶ事が好きだ。
人間を玩具の様に、いたぶり、陥れ、最後は魂諸々と頂く。
これは男にとっても、狩りに行った者達にとっても、遊戯の一環にしか過ぎない。
雲から降り注ぐ大きな粒は、軈て、男を濡らしていく。
ブルーグレー色の長い髪の先から、滴る雫。精悍な顔が大人の色気を醸し出している。
「楽しい遊戯(ゲーム)にしようじゃないか。くくく、ははははっ…」
男は高らかに嗤(わら)った。
天高くに聞こえるように…。
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