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053 無声にしおりをはさみました!
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053 無声
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「――――――――っ!!!」
声を封じられ、悲鳴は彼には届かない。
ハリルの顔が僕の下腹部に埋まる。
依然恐怖を思い出し縮こまっていたモノに、ハリルの舌がねっとりと絡みつく。
「……つっ!」
僕のモノなど、ハリルの口に簡単に含まれてしまう大きさだった。
暖かい舌が絡まったかと思うと、突如強く吸われる。
「っっ!!…………!!」
痛みと恐怖で、身体が痙攣する。
彼の口を汚してしまっている自己嫌悪。
記憶の中で男たちにされた行為がリンクをする。
快楽など感じない。この行為は苦痛でしかない。
僕のモノは反応を示すことなく、縮こまったままだった。
「意地でも……感じないつもりか?」
望んだ反応を示さない僕に苛立ったのだろう。
僕のモノを口から離し、そう告げたハリルの目――――その目が、恐ろしいほど怒りに淀んでいる。
「っ……っ……!!」
(どうして……ハリルはこんなことをするの……?)
頬を伝う涙は、ボタボタと量を増す。
なんの説明も受けぬまま、一方的に行われる恥辱。
(怖いよっ……いやだっ……)
僕は、何も聞いてないのだ。
ハリルの口から、何も聞いていない。
結婚のことも、水神のことも、全て。
「……こちらは何もされていないようだな」
突然後肛に伸びた指が、確認するようにその窄まりを撫でる。
昨日今日と、そんな所を触るのはハリルしかいないのに……。
僕の腰を持ち上げ、確認するようにその窄まりを覗き込まれる。
「……っ!!」
手足をバタつかせたところで、抗うことなどできない。
奥まった部分を見られる羞恥……。
それだけでも相当なものなのに……。
――――訪れたのは後肛への暖かい感触……。
「っっ!!!!……っっ!!!」
(舌が……ハリルの舌が……)
受け入れ難い状況に目が白黒としてしまう。
自分の股間に埋もれている、秀麗な王の顔……。
(嫌だ……嫌っ……! 汚いっ……!!)
襲う絶望……。
それでも尚、ハリルの行為は終わらない。
(やめてっ! ハリル……!)
「っっっ!!!!!」
思いとは裏腹に、簡単に快楽を示す自分の身体が憎らしい。
彼の手が、また僕のモノに伸びてくる。
同時に後肛へ挿入される、彼の指。
「いい加減、本当のことを話せ」
まだなお怒気を孕んだその口振りに、僕の全身は震えた。
何を、話せというのだろうか。僕は嘘などついていないのに。
(わからない……わからないよハリル……)
必死に首を横に振る。
言い訳も謝罪も発することが許されない。
「そうか……なら、覚悟するんだな」
伝わらない意思。
より悪い方向へと向かっていく。
昨夜からの余韻とはいえ、僅かな唾液でしか濡らして貰えていない後肛だ。
入れられた太い指が些か乱暴に出入りするたびに、切れてしまいそうな痛みが伴う。
「…………っ!!」
その指が折り曲げられ、開発されたばかりの弱い部分を刺激する。
(そこっ……なんでっ……)
「――――っ!!」
快楽で身体が跳ねる。
身を捩って抵抗しても逃れることはできない。
萎えていたモノは徐々に反応を示し、勃ち上がってくる。
ハリルに施される快楽と恐怖は紙一重だった。
(やだ……やだぁ!! やだよぉ……!!)
再び、ハリルの唇が下りていく。
「……っ!!」
ゾクゾクとした快楽。
そして再び、太ももに噛みつかれる。
暑い。
血生臭い、腐臭。
あの下卑た笑い声が聞こえてくる。
(たすけて……たすけて誰か……)
許しを請う手段すら封じられて、荒い息だけが喉から溢れる。
――――「『お前は水神ではない』」
僕のモノにねっとりと絡みつく舌。
後肛との同時の刺激に、快楽で脳が痺れる。
今僕の身体を嬲っているのは誰――――?
混同する記憶。
――――手の爪が剥がされていく。
――――足の指が潰されていく。
――――次は何をするの?
――――いつ終わるの?
ここは――――牢の中……?
(ハリル…………)
僕にできることはただ――――涙を流しながら、王の怒りが収まるのを待つことだけだった。
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