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興味と気づく距離までにしおりをはさみました!
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興味と気づく距離まで
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「、あぁ〜…でも、本当にこの本に巡り会えるとは思ってなかった、！…ここの図書館て本当にすげぇんだな、。…俺、本人にくれって言ったのに無いって言われたからね笑……すげぇ、感動。……単純にすげぇ読みたい、この本だけだもん、俺持ってねえの。」
都に本を返しながらそういう。
本当にびっくりだ。この図書館は学生以外も借りることはできるのだろうか、そんなことで頭いっぱい…って、
「……え、お前なにその顔、、」
都がなぜかその本ををもちながらチラチラと俺の顔を見る。本は両手で抱え込み、…完璧に何かを言いたげだった。
え、…、あ……もしかして……
「……もしかして、…お前、他の本も読みたいの、？」
俺がそうびっくりしたように言うと、都がしっかりと俺の方を見た。
、え………、なんだ、…そんなことか、
「、なに？…………あーもう、だからちゃんと反応してくんなきゃわかんねぇって。…つーかフェニックスの本これ以外はここに置いてねえの？」
再度反応を促すようにそういうが、やはり都はうつむいたり無反応で、「そうだったら、頷いて。？ちゃんと。ちげえんだったら、首振って。な？、俺、別に怒ったりしねぇから、」ととりあえずそういうと、ゆっくり〜と首を左右に一回振った。
…、保健室で都にココアを選ばせた以来の会話成立。
それに少しだけ感動する。
「…あ、違うんだ、。……なんの本があんの？……まぁ、フェニックス自体そんな本出してねえけど……」
俺がそうもう一度聞くと、都が数秒かまたうつむいた挙句にゆっくりと動き出した。
…………なんか、ちょっと砕けてくれたのかも、。
都は側に転がっていた万年筆を手に取り、自分の書いていたノートの隅っこにスラスラ〜と凄く綺麗な筆記体で本のタイトルを一つだけ書いた。
その本はフェニックスの出した中でも一番名の知れたもので、その一番最後の文字を書き終えると、万年筆を静かにまた側に置いた。
「……あ、やっぱりそれは置いてあんだ、。…、それだけ？」
コクン…、
そう都が俺の問いに今度は間を空けずに頷く。
「……へぇ、…その本とこの本だけなんて、…なんか変な品揃えだな、。ww……まぁ、確かにフェニックスの本なんて取り寄せようと思ってもほぼ絶版になってるから取り寄せられねぇんだけどな、〜〜。」
「……」
「で、お前その二冊は読んだんだ？」
…コクン、
「……、俺、家に他の全部あるから貸してやろうか？」
少し間を空けて俺が顔を見ながらそういうと
「…………！！！」
都がその言葉にあからさまに反応したのが分かる。
ほんの、……ほんの少しではあったが、口の口角が上がった気がして、心なしか表情が明るくなった気がした。
…………、なんか俺、今、世界で一番わかりずらい喜びの感情に出会った気分だわ、笑
…でも、その確かに分かりにくい表現は俺を半端なく高揚させた。
……つーか、今、こいつと会話成立してたよな、？！？！
そう実感すれば実感するほど嬉しさかジワジワとこみ上げてきて、場面的には都の方が嬉しがってるのが正しい筈なのに、俺の方が明らかにニヤニヤしてしまう。
「、な？貸して欲しい？」
ニヤニヤした顔のままそう都に聞くと、都が素早く何回か頷いた。
「……ん、分かった、！貸してやるな、！」
俺はなんだかそれが本当に嬉しくて、多分全く似合わないであろう満面の笑みを浮かべてそういい、そして思わず都の頭をワシャワシャと撫でていた。
……なんだろう、……飼ってる犬が投げたボールを初めて持って帰ってきた気分。(?)
「よし、よし」なんていいながらワシャワシャと頭を撫でる俺は本当にそんなような気分で、都はそんな俺に思いっきり頭を下げてされるがままにしていた。
……多分側から見ればいい大人がなにやってんだって感じなんだろうけど、……今の俺にはそんな周りの目なんてどうでもよくて、……ただただ、都が少しでも自分を見せてくれたことが嬉しかったのだ。
しかも、都とまた会話するであろう約束をして、。
……ふふふ、これ聞いたら酒井教授きっとぶっ倒れるぜ……、。
……なんて、…俺は知らず知らずのうちに都に興味を持ち始めていたのだった。
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