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ビビってないと言ったが、俺は正直ビビってる。
今すぐに逃げ出したい俺は、草野の横をすり抜ける様に通ろうとした時
ドカッと音を立てて草野の足が、俺の進路を塞いだ
『ギャッ な…何だよっ』
「お前…何浮かれてんの?」
『はっ? 何がだよ、浮かれてねぇし』
「浮かれてんだろ…? 女いて」
『浮かれてねぇって言ってんだろ、通せよ』
「最悪だな」
『何で俺が最悪なんだよ、最悪なのはテメェだろっ』
「…部屋戻って女と二人で抜けんのか?」
『お前に関係ないだろっ』
関係ない、そんな言葉を口にして俺はハッとした。
まずいっこんな事言うつもりじゃなかった…そう思って見上げた草野の表情は…怒っている…そんな顔じゃなくて、辛そう…その表現が当てはまる、そんな表情だった。
俺は直ぐにフォローしようとしたけれど、上手く言葉が出てこない。
『あ…や…あの…違くて…』
進路を塞いでいた草野の足は下ろされて、草野が出て行こうとする…
俺は何か言わなきゃ、そんな気持ちで草野の腕を掴んだ
『草野っ俺…』
謝ろうと思った
関係ないわけないんだから…
謝ろうと思ったんだ…
だけど、掴んだ腕を払われて…
見上げた草野の目は…
冷たかった…
『あ…』
結局俺は何も言えず、出ていく草野の背中を見つめるしかなかった。
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