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放課後②にしおりをはさみました!
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放課後②
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(葵語り)
「もしもし………。」
恐る恐る電話に出た。
「あ、伊藤君?元気してた?」
熊谷先生の声が聞こえる。
後ろがざわざわして、アナウンスが響いていた。駅にいるようだ。
「はい。元気です。何か用でしたか?」
「俺ね、出張でこれから帰るんだけど、お土産何がいいかなと思って。」
お土産……のために電話してきたらしい。
「何でも……いいです。」
できるだけ早く電話を切りたかった。
「しょっぱいのと、甘いのどっちがいい?」
「どっちでも。」
「どっちでもが一番困るんだよ。どっちか言ってよ。後は俺が決めるから。」
「…………じゃあ、甘いので。」
向こうの方で、誰かが熊谷先生を呼んでいる。今行く、と返事をしていた。
「分かった。甘いのな、最後に、隣の猪俣によろしく言っといて。じゃあね。また明日な。」
一方的に、電話が切れた。
猪俣によろしくって言ってたよね。
先生と一緒って知ってたの?
背筋がひんやりする。
「今の誰?」
先生が俺に聞いてきた。
「あっ………。いとこ。」
「従弟に敬語使うの?葵は。」
「………。塾の先生。」
「塾行ってないよね。俺が誰かあててあげようか?」
先生はこっちを振り返りもせず、運転したまま聞いたことのない怖い声で、
「熊谷だろ。」
と言った。
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