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幸彦にしおりをはさみました!
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幸彦
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「テツぅ〜。」
「なんだよ。」
「お腹空いた♡」
ユキちゃんがニコッと笑う。
男の格好をして、さっきまでしていた化粧を落としているが、どこか可愛げがあった。
「はぁ…。作ればいいんだろ。」
「もちろんグラタンね!」
「ホント好きだな。」
虎徹さんはソファーから立ち上がりキッチンの方へ行く。
横にいた虎徹さんがいなくなりちょっとさみしい。
「やだぁ、テツがいなくなって悲しいのぉ?」
僕の横にユキちゃんが座る。
僕は少し龍さんの方へ動く。
「なんで逃げるのぉ?傷つくわぁ」
ユキちゃんがしょぼーんとした顔をする。
「ご、ごめんなさい…」
俯いて下を向く。が、
ユキちゃんに顎を手で掴まれる。
そして、強引にユキちゃんの方に向かされる。
綺麗な顔でこちらをじっと見られる。
「おい、龍。手伝ってくれ。」
虎徹さんの声が聞こえたかと思うと、横にいた龍さんがいなくなってしまった。
そちらを見たいが、顎を手で固定され顔を動かせない。
「愛生くんさ、虎徹が好きなの?それとも龍?」
さっきとは違う低い男らしい声で囁かれる。
好きとは、どういう好きなんだろ。
友達の好き?家族の好き?それとも、
恋人の好き?
僕は何も言えずに固まる。
「何も言わないってことは2人とも好きなの?」
また、低い声で囁かれる。
「答えてくれないの?」
顎を引かれて、さらに顔を近づけられる。
好きなのかな…、でも好きじゃなくて、
もっと、大事で、尊くて、愛しくて…。
今日の朝の出来事が頭に浮かぶ。
ついさっきのことなのにずっと昔のようなとっても幸せな気持ち。
そうだ、好きじゃない。好きだけど、好きじゃなくて。
「好きじゃなくて愛してます。」
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