あいってー……女王の奴いつもより力入ってやんの。
しかもストレートに顔面かよ。

『貴方も全く学習しないわねケリー。あなた達何年夫婦やってるのよ。女性はいつでも若くありたいものよ？』

………いつでも若く？

『茉莉も俺ももう50過ぎだぞ？しかもな？えーっと何だ？努力してる所なんぞ見たことないぞ？』

『……はー全くコレだからアンタは。影でやってるわよ色々。何処まで女心に疎いのよ全く。』

…………え？
何をだ？
アレか？ゲリラ戦用の化粧か？

『何考えてるのよアンタは！化粧水とか乳液とかの美容品に決まってるじゃない！！夜中にそんな無駄なお化粧してどうすんの！！！それにそんな化粧して何処出かけるって言うのよ！』

そう言われると確かに無駄だな。
始末する相手居ないしな？

………あ、そうだ。
『ローズちょっと聞いて良いか？』

『何？！ご機嫌取りの内容なら自分で考えなさい。ああ、そうそうこの間ちょっと微妙な顔になってたわよ？最近のご機嫌取りが毎回同じだからコートが大量になっちゃったみたいね。もういらないみたいよ？』

………あー確かにな。
この間クローゼット開けたら毛皮だらけになってたな。そろそろ違う方法見つけるか。

んー。
女王様の好みか……。
ランチャー……あーいやそんなの家の中じゃ使えないしな？

お？あそうだ。

『何か思い付いた様だけれど……絶対的外れよその発想は。ジュエリーとかそういう発想は無いの？』

『只の装飾品を茉莉が欲しがるとは思えないぞ？寧ろそっちの方が的外れだ。』

『………確かにそうかもしれないわね。この間は地上波でやっていた超大作と名高いアクション映画を冷めた目で見ていたし。』

『そりゃそうだろうよ。玄人中の玄人からしてみりゃああいうのは無駄と無理がありすぎる。』

『全く貴方達って……。あーもうこの際だから素直に謝ったら？今度から気をつけるとか言えないの？』

…………。

『言えないのね？全く不器用なんだから。顔、赤くなってるわよー？』

『あーそりゃさっきの鉄拳の跡だな。』

『あーはいはい。まあそういう事にしときましょうか。あ、そうそう茉莉最近有名刑事ドラマ欠かさず観てるわね。……今確か12シーズンで再放送の時間帯は茉莉日勤なのよ。録画予約してないみたいだし、BOX買えとは言わないけど録画予約位なら出来るでしょ？』

『あーアレな。まあ丁度良いか。俺も再放送観てるし、今の放送は夜勤で観れないし。夜勤明けに予約入れとこう。』

『言って置くけど、ケリーのイラストも大分幼い感じに出来上がってるわよ。茉莉の事言えないわよー？イラスト見た感じだと…年上の姉さん女房って感じかしら？』

『……年上女房っておい……』


---------------------------------------------
その後、茉莉さんの機嫌がちょっと治ったとか何とか。

そして新しいご機嫌取りの考案を結構悩んだケリーでした。

前回は夫婦の会話
今回は　ケリー&ローズ

でお送りしました